story 41 ページ41
私が必要以上に
逃げようとするのには
理由がある。
相手がテテだからじゃない。
誰であっても
逃げたはず。
でも、テテは
今までの人より
ハードルが高過ぎる。
私には親がいない。
産まれてすぐ
施設に預けられた。
皆が当たり前に
受けてきた親の愛情を
知らずに育った。
愛することに
愛されることにも
免疫がない。
今まで付き合った人は
何人もいたけど
与えられる愛に
求められる愛に
耐えられなかった。
どの人も長続きしていない。
ミヨンに
運命の人に出会えてないだけと
言われたことがあるけど
そう思うと同時に
私に欠陥があるからと思えてならなかった。
テテは純粋に一途に
私を想ってくれる。
同じように
私は想えるのかな･･･。
好きでいてくれればくれるほど
その想いに応えなきゃという
プレッシャーと
同じように好きでいなきゃという
プレッシャーで
私は潰されそうになって
なにもできなくなる。
そんな私に耐えられなくて
みんな去っていった。
“好きでもないのに付き合うなよ”
“お前、おかしいよ”
“一生、1人でいろよ”
傷ついたのは
私？それとも･･･。
ここ数年は
もう怖くて付き合えないでいた。
好きな人がいたこともあるし
好きでいてくれる人もいたけど
不安に勝つことはできなかった。
「･･････テテ」
TH「んー？」
テテに全てを打ち明けよう。
追いかけられることに
プレッシャーを感じつつあった私は
テテを部屋に招き入れた。
テテは好き。
ずっと片思いでいい。
私は。
でもテテを同じようには
したくない。
「逃げる理由を話すから
聞いてくれる？」
TH「どーぞ」
私の欠陥を知ったら
テテはどう思うだろう。
きっと離れていく。
そうなると
本社に帰るの嫌だな･･･。
このまま大田に
残ろうかな･･･。
テテを苦しめたくない。
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作者名：さるるん
| 作成日時：2019年10月22日 21時
