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story 32 ページ32

準備期間の1週間は
あっという間に過ぎた。








大きなスーツケース1つだけ持って
やって来たパスターミナル。









バスの時間まで
スマホのゲームで時間潰し。









?「A先輩」

「はい?・・・え?ジミン」

JM「久しぶり」

「ん、うん。元気?」

JM「まぁね」








隣に腰を落としたジミン。








少しの間
黙ってたけど
「よしっ」と小さく呟いて
私に紙袋を差し出した。








「なに?」

JM「ソンムル」

「え?」








紙袋の中の箱を取り出して
中身を確認すると
薄いピンクのシンプルで
綺麗なハイヒールが入っていた。









「靴?」

JM「そうだよ。
俺から逃げられるように」

「・・・・・・え?」

JM「諦めることにしたんだ」

「・・・ジミナ」

JM「大好きだったよ」

「・・・・・・うん」

JM「テテには負けるけどね」

「・・・・・・・・・」







ジミンが発した
テテという声に
言葉を失った。









JM「テテは凄いんだよ」

「・・・・・・・・・」

JM「どこに居てもすぐに先輩を見つけるし
先輩の好きなコーヒー覚えてるし
あとはね・・・体調悪そうなのも
気付くのはいつもテテだったんだ」

「・・・・・・・・・」

JM「新入社員の研修に行くんだってね」

「・・・あ、うん」

JM「テテは待ってるよ、きっと」

「ジミナ」

JM「早く帰って来てあげてね」

「・・・・・・・・・」







ジミンの言葉に
心臓がドキドキして
どう沈めたらいいか
わからなかった。









テテの話も聞かずに
どうせ軽い気持ちだろうと
勝手に決めて
勝手に壁を作った。








ジミンが教えてくれたテテは
真剣に私に向き合おうと
してたのに。








酔って泊まったあの日。








微かに覚えていた
テテの声。








『俺も本気なのに。
逃げんなよな、追いかけねーぞ』








待っててくれるかな・・・。









3ヶ月後。









今度は私から告白しよう。








好きだよ。








本気なの。








ごめんねって。









バスに乗る直前
スマホからテテに
メッセージを送った。









“行ってくるね、テテ”

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作者名:さるるん | 作成日時:2019年10月22日 21時

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