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story 28 ページ28

逃げるようにして
大田支店の新人研修を受け入れ
引き継ぎも済ませた。







1週間後には大田に行き
戻るのは3ヶ月後。







その事をまず知らせたのは
親友のミヨン。







「もしもーし」

MY『大田?』

「うん」

MY『戻るんでしょ?』

「予定ではね」

MY『呑もうか』

「そうね」

MY『今、江南なの。出てこない?』

「行く」






男から逃げるなんて
人生初だわ。







しかも年下の新入社員。







惑わされるような
歳じゃないくせに
簡単に惑わされちゃって
情けない・・・。







江南に着くと
ミヨンに連絡をして
ミヨンの行きつけのお店に向かった。







なかなかオシャレなBAR。







カウンターに1人で座っている
ミヨンを見つけて声を掛けた。







「お姉さん、1人?」

MY「お姉さんも?」







学生時代からウマが合うミヨン。







言いたくない事は聞かない
でも言いたいことは
ちゃんと聞いてくれる。







人間観察が趣味なだけあって
ひと目見ると悩みが
わかってしまうらしい。







MY「どーなった?」

「なにが?」

MY「新入社員」

「別に」

MY「あー、それで大田?」

「まぁね」

MY「何が問題?」

「年下」

MY「それだけ?」

「わかんない」

MY「教えようか?」

「なにを?」

MY「世間体、人目」

「・・・・・・・・・」

MY「あとは恐怖ね」

「・・・・・・お見事です」







ワインが入ったグラスを
こぼしそうなほど揺らして
ミヨンは大笑いした。







ミヨンの言う通り。







世間体悪いじゃない
新入社員に手を出したなんて。







人目も気になる、
なんて噂されるんだか・・・。







あとは私が抱える
トラウマ絡みの
恐怖心ね。







全部が積み重なって
大きな壁になった。







MY「その子、可哀想ね」

「なんで?」

MY「その子はきっと
ただ純粋にアンタの事が好きなのにね」







そうでしょうよ。







でも大人だもん。








そう簡単ではないでしょ。








MY「大田に行くことは
ちゃんと伝えてやんなさいよ」

「そうね。そうしようかな」

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作者名:さるるん | 作成日時:2019年10月22日 21時

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