story 27 TH ページ27
入社式の日。
受付にいたAを見て
俺は固まった。
入社試験の日に会った
その人だったから。
入社試験の日
緊張からか
筆記用具を丸ごと忘れた俺。
鞄をゴソゴソして
ペンの1本でも入っていないかと
探していたら
「どうぞ」と言う声と
差し出されたペンケース。
「え」
A「違ったかな?」
「あ、いえ。ありがとうございます」
A「帰りにあのテーブルに
置いて帰って下さい」
「わかりました。助かります」
A「私もやっちゃったんだよ」
「・・・あ」
俺の手を取って
ペンケースを渡したAは
女神のようだった。
絶対、この会社に入ってやる。
で、このペンケースを
直接返そうと思った。
だから、指定された
テーブルには置かず
まだペンケースは俺のところにある。
Aが教育係になって
仲良くなって
告白して
距離は・・・遠のいた。
俺とAの間にある壁が
俺には見えなくて
どうしたらいいのか
わからない。
「お疲れ様です」
翌日の14時過ぎ
俺は資料をもらいに
企画部のオフィスを訪ねた。
でもAがいなくて
課長に声をかけた。
課長「お。おつかれ」
「あの・・・A先輩は・・・」
課長「あぁ、休みなの」
「休み?」
課長「来週から大田支店に行くから」
「え?異動ですか?」
課長「そうなるかもね」
「え?」
課長「資料は預かってるわよ。はい」
「あ、ありがとうございます」
大田に異動?
昨日はそんなこと何も・・・。
そんなに嫌か?
そんなに負担だったか?
俺は好きでいることも
許されないのか?
?「テテ?」
「あ?おー、ジミン」
JM「どした?ぼぉっとして」
「お前、知ってた?」
JM「何を?」
「Aが大田に行くって」
JM「・・・・・・は?」
「やっぱ知らねぇか」
JM「課長に・・・聞いてくる」
「んー。じゃーな」
大田なら・・・車で
2時間半・・・いや・・・3時間か?
何考えてんだアイツ。
どうせなら
思いっ切り振ってから行けよな・・・。
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作者名:さるるん | 作成日時:2019年10月22日 21時