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story 25 ページ25

普段、足を踏み入れない
廊下の奥にある部長室。







ご立派なソファセットに
秘書さんが出してくれた
いい香りのするお茶。








緊張する要素しかない。








部長「折り入って頼みがあるんだよね」

「なんでしょうか?」

部長「新しく支社ができたでしょ?」

「あー、はい。確か大田(テジョン)に」

部長「新人教育に出向いてくれないかな?」

「え?」

部長「君の指導が優秀だと聞いてね」

「・・・・・・」

部長「3ヶ月。お願いできないかな」

「・・・・・・私で良ければ」

部長「助かるよ」







詳しいことは
課長から聞くように言われて
部長の部屋を後にした。







新人教育ね・・・。







まぁ会いたくない人が多い今
一時的に逃げるのも
いいと思った。








時間を置けば
気持ちも薄れていくはず。








彼らも、私も。








「課長」

課長「ん?」

「大田支店の件で」

課長「あー、聞いた?」

「はい」

課長「行くの?」

「はい」

課長「Aちゃんに抜けられると
困るって言ったのに・・・」






そう言いながら
渡された大きな封筒。







住む場所も用意されてて
出発は1週間後。







荷物1つで行けるのは
助かるわね。







お手当ても出るみたいだし。








課長「早く帰ってきてね」

「もちろんです」

課長「席空けて待ってるわよ」

「はい」

課長「急ぎの仕事が片付いたら
あとは引き継ぎしてもらって
準備もあるだろうし、休んでいいわよ」

「ありがとうございます」







さてと、忙しくなるわね。







とりあえず、
明日、テテに渡さなきゃいけない
資料の作成から取り掛かった。








資料室に行ったり
過去の企画調べたり
まとめては入力しての繰り返し。








気が付けば
オフィスには私以外
いなくなってた。








「え?何時よ・・・」

?「22時37分」

「え?」

?「よっ」

「テテ」






いつから居たのか
私の真後ろの席に座ってるテテ。







「いつから?」

TH「( ̄-  ̄ ) ンー、1時間程前から」

「何か用?」

TH「会いに来た」






そんな事を
恥ずかしげもなくストレートに・・・。







大田に行っても
私の想いは消えない気がしてきた・・・。

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作者名:さるるん | 作成日時:2019年10月22日 21時

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