story 11 JM ページ11
2人で残された。
A先輩の空いた席を挟んで
並んで座る俺とテテ。
「聞いたよ」
TH「なに?」
「キスしていい?って」
TH「あぁ・・・」
「好きなの?」
TH「さぁな」
「いつから?」
TH「関係ないだろ。仕事しろよ」
関係なくない。
俺はA先輩が好きだから。
入社してからずっと。
「テテ」
TH「なんだよ」
「俺は好きだよ」
TH「知ってるよ」
「テテは?」
TH「・・・・・・」
はっきりしないテテに
苛立ちを覚えて
思わず立ち上がった。
ハッキリさせたい。
じゃないとフェアじゃないから。
TH「怒んなよ」
「テテっっ!!」
TH「うるせーな。
ってかなんでお前に告るんだよ」
「・・・・・・テテ」
TH「告るなら本人にする」
回りくどい言い方しやがって。
好きなんじゃん。
TH「俺は俺のやり方でやる」
「・・・・・・」
TH「だから、お前も好きにしろよ」
「・・・・・・勝てる気がしない」
TH「勝つとか負けるとかじゃないだろ」
「そうかな」
TH「相手は俺じゃねぇ」
「・・・・・・そっか」
テテの自信が羨ましいよ。
確かに相手はテテじゃないけど
A先輩の向こうに
テテがいると思ったら
尻込みしちゃうじゃん。
わかんないだろーな。
TH「お前知ってる?」
「ん?」
TH「あのクソ野郎と付き合ってないぞ」
「え?そうなの?」
TH「本人が言ってたから間違いない」
「それ・・・教えるんだ」
TH「なんで?」
「ライバルなのに」
TH「教えても教えなくても
結果は変わらねぇだろーよ」
「ムカつく」
ハハッと笑ったテテ。
その横顔が
男の俺でも惚れそうな笑顔で
嫉妬する気すら失せた。
テテならいーやと
思えてしまって
俺の負けは見えた気がした。
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作者名:さるるん | 作成日時:2019年10月22日 21時