ヌナのカフェ -TH-

story 9 ページ9

「ヌナ」

A「話はそれだけ。帰りなさい」

「ヌナ」

A「元気でね」

「やだ」

A「やだじゃないの」

「やだよ」







嫌なんだよ･･･。






もう会えないなんて
ありえない。







ジミンが言った通り
俺はヌナが好きなんだ。







会えなくなるなんて
考えられない。
考えたくもない。








「なんとか、お店続けられない？」

A「ペンの子達が集まってて無理なの」

「そんなぁ･･･」

A「ごめんね」

「じゃあ連絡先教えて」

A「何言ってんの？」

「電話番号教えてくれたら帰る」







我ながらガキだな。






恥ずかしい程に。







でも、もう会えないなんて
非現実的過ぎて
受け入れられないよ･･･。








「ヌナ〜〜〜」

A「みんなが心配するよ」

「みんな寝てる」

A「明日も仕事でしょ」

「そうだけど若いから平気さ」

A「テヒョナ･･･困らせないで」








ヌナは断固として
連絡先を教えてはくれなかった。








最後に1度だけ
抱き締めていいかと聞くと
これもあっさり却下された。








しぶしぶカフェを出て
宿舎へと向かう。








歩きながら
自分の気持ちに気付けなかった
不甲斐なさに涙が出そうだった。








ジミンに恋するスアが可愛くて
俺も好きだと勘違いしたうえに
あれほど俺を癒してくれてたヌナを
好きだったことに気付かないなんて
なんてアホなんだ･･･。








翌日、その翌日も
もしかしたらとカフェに通って
ドアをノックしたけど
返事はなくて
１週間ほど経つと
看板は消えて空っぽの店内が
ドアの外から確認できた。








「はぁ･･･」

JM「どうした？最近元気ないね」

「ジミナ」

JM「ん？」

「俺さAヌナが好きだったんだ」

JM「やっぱり」

「でも気付くのが遅すぎてさ」

JM「うん」

「お店無くなっちゃったんだ」

JM「マジで？」

「もう会えないんだ･･･」

JM「あらら」








ほんと、何やってんだか。








情けない･･･。







情けなさ過ぎて涙も出ないよ。

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