俺の事、好き？ -YS-

story 42 ページ42

A「別れたいの？」

「違う」

A「じゃあなんで？なんで別れるの？」

「･･････A」







次第に涙が
Aの瞳にいっぱい
溜まってて
胸が苦しくなった俺は
Aを抱き寄せた。









「俺のせいで辛い思いしてるだろ」

A「･･･そうね」

「だから、別れるしかないと」

A「取引先と付き合ってる人なんて
私だけじゃない。いっぱいいるもの･･･」

「そうなのか？」

A「そんな理由でクビになったりしない」

「なんだよ･･････よかった」

A「別れない？」

「うん」









腰の辺りにあった
Aの腕に力が入った。









好きとか愛してるとか
言われなくても
伝わってくるよ。









その日、何度も鳴った
電話を無視して
Aを抱いて眠りについた。









後は俺の方の問題だな。









事務所は相変わらず静観してる。








何か。









何か行動を起こさないと
何も変わらない。









考えに考えた末
俺は、俺らしく
この問題を解決することにした。









夕暮れの空の写真に
手書きでこう書いた。






“俺の1番大切なもの：俺を愛してくれる人達”






そしてその写真を
SNSにアップした。








翌日は
晴れた青い空の写真に








“俺の仕事：歌を歌い続けること”








さらに翌日は
曇り空の写真に
こう書いた









“あの人は、元気ですか？”








あの日、Aに会って
落ち着いたら連絡すると伝えて
連絡を絶って
3週間になろうとしていた。








毎日のように
メッセージを書いた空の写真を
SNSにアップし続けていると
ネットニュースの面々が
まずは食いついた。









“Super Junior イェソン
心境を吐露するSNS”








心境を吐露･･･ね。








もっと切実だけど、まぁいい。








その記事が出た夜。








Aから託された
お揃いのキーホルダーを
2つ並べて置くと
写真を撮って
その写真にこう書いた。








“ペンの愛を授かるために
奪われたモノ･･････”

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