片想いの時間 2nd -EH-

story 54 ページ10

“A。撮影終わったよ。
明日の夜って会える？”







夜遅くに届いた
ヒョクからのメッセージを
私はジムで受け取っていた。









お客様とトラブルがあって
まだ帰れないでいる。









？｢どうしてくれんのよっ!!｣

｢申し訳ございません｣








お客様はユイさん。









ロッカーに入れていた荷物がなくなったらしく
今、スタッフが総出で探してるらしい。








一旦、帰宅した私は
呼び戻されて
今、事情を聞いたところ。








YUI｢貴方が責任者なの？｣

｢このフロアの責任者です｣

YUI｢どんな管理してるの？｣

｢申し訳ございませんが
お客様のお荷物については
ご自身で管理して頂くようお願いしています｣

YUI｢はあ？｣

｢ロッカーには鍵もございますが、
掛けていらっしゃいましたか？｣

YUI｢か、掛けてたわよっ!!⋯多分｣

｢鍵はどちらに？｣









長くこの仕事をしていると
お客様の嘘がすぐにわかってしまう。








何が目的なんだろう⋯。








綺麗でスタイル良くて
芸能人で、人気者なのに⋯。








YUI｢もういいわよっ!!｣

｢お荷物は、よろしいんですか？｣

YUI｢あるわよっ!!荷物、車にっ!!｣

｢無くされたんではないんですね。よかったです｣

YUI｢ムカつく｣








結局、目的はわからないまま、
ユイさんは帰って行った。








無線でみんなに解決したと伝えると
ハナが怒ってる様子で
私の方に向かってくる。






HN｢ちょっと!!なにっ？｣

｢さぁね。暇つぶし⋯かな？｣

HN｢あ⋯⋯いや、Aが目的かも｣

｢へ？なんで？｣

HN｢来てすぐ、Aのこと探してたから｣

｢なんでだろ？｣

HN｢さぁ⋯。でも、気を付けてね｣

｢う、うん｣









私を探してた!?






ヒョクが話したとか？







それはないよね⋯。









あ、メッセージ!!









“まだジムなの。
帰ってから電話していい？”

EH“いいよ。待ってる”

story 55→←story 53 -EH-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す