ひまわりが咲く頃 -YS- 編集終了

story 31 ページ33

夏に来た向日葵畑。
どこにもヌナの姿はない。
途方に暮れて立ち尽くしていた。



？｢イェソンヒョン？｣


振り向くと航平だった。


航｢ヒョン、なにして･･･｣

｢ヌナは？｣

航｢あぁ。そうゆーことですか｣

｢ヌナは？｣

航｢わざわざ、日本まで？｣

｢航平!!!ヌナは？｣

航｢イェソンヒョン
お願いがあります｣

｢お願い？｣

航｢はい。
姉が韓国には戻らないと言ってます
必ず連れて帰ってください。｣

｢･･････｣




正直、自信がない。
ヌナが俺を信じてくれるのか
俺のために韓国に戻ってくれるのか。




航｢ヒョン、後悔してますか？｣

｢そりゃもちろんっ!!!｣

航｢姉も後悔しています。
あの人は強そうに見えて
すごく弱い人です。
誰かが支えてないとダメなんです。

ヒョン!!!
反省しましたよね？｣

航｢当たり前だ｣




航平がおもむろに指を出し、
指した方向に小さな建物があった。




航｢姉はそこにいます。
俺は帰りますね。
迎えに来ましたが
会わないまま戻ります。

だから、必ず一緒に帰ってきて下さい!!｣




そう言うと
航平は行ってしまった。




胸の高鳴りが大きくなる
白い壁にピンクの屋根
ハングルで
“ペンションひまわり”と書いてある。



玄関のドアを開くと
小学生くらいの女の子がいた。




どう声を掛けようか
迷っているとなぜか

｢ジョンウン？｣

と、女の子に言われた。

｢あ、はい｣
と返事をすると
女の子は走って奥に消えた。




今度はヌナと同じくらいの女の人




｢ほんとだ、ジョンウンだね｣
女の子にそう声を掛けると
俺に目線を向ける。

｢안녕(*´ω｀*)｣

韓国人？

｢ジョンウン氏
お待ちかねですよ｣




近くのドアを指さしながら
優しく微笑んでくれた。




そのドアを開けると
そこは広いリビングのような場所。

奥のソファに人影がある。

あのふわふわの髪の毛は
間違いなくヌナだ。



｢Aちゃん
待ち人が来たよ｣

俺の後ろからさっきの女の人が
奥の人影に声を掛けた。




振り返ったその人･･･。
胸が張り裂けそうになった。
俺の愛しい人だ。
なんで他の子に
惹かれたりなんかしたんだろう
なんで他の子に
キスなんかしたんだろう
俺はこの人がいれば
それでいいのに。




WH｢ジョンウン？｣

｢ヌナ、迎えに来たよ｣




涙を堪えて精一杯の笑顔を向けた。




近付いてヌナを抱きしめた。
いつものヌナの甘い香り。
いつも俺の胸を高鳴らせる人。

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