ひまわりが咲く頃 -YS- 編集終了

story 12 -KI- ページ12

ヌナの家から出ると
車の傍にヒチョルヒョンがいた。




｢帰るぞ｣と言われたけど
何が起こるかわかっているだけに
帰りたくなかった。




宿舎に着くと何人かのメンバーが
待ち構えていて、緊張が走る。

LT｢座れ｣

DH｢ヒョン、ヌナから
　イェソンヒョンを奪っちゃダメだよ｣

｢なんで？
お前たちはヌナに会えればいいだろ？
誰の恋人でも関係ないだろ？｣

HC｢関係ある｣

｢どう？どー関係あるんだよっ!!｣

LT｢ヌナのことだ
　イェソンから離れる時は
　俺達から離れる時だ｣

DH｢俺たちからもヌナを奪うの？｣

｢ほっといてくれ｣




立ち上がり部屋に行こうとして
トゥギヒョンに呼び止められた。

LT｢ヨンウン、イェソンが来る｣

｢話したくない｣

LT｢ヌナも来る｣

｢なんで？｣

LT｢３人で話さないとな｣





止めるドンヘの腕を振り払って
自室に篭った。




ドアの向こうで
インターホンの音がする。




来た･･･。




“コンコン”

｢入るぞ｣


入って来たのはイェソンとヒチョルヒョン。




ヒチョルヒョンが俺と
ベッドに座り
イェソンはデスクの椅子に座った。




｢ヌナは？｣


イェソンが睨んでるのがわかる
でも気付かないフリをして
ヒチョルヒョンに聞いた。



YS｢来たくないそうだ｣

HC｢どーする？俺、いないほうがいい？｣

YS｢いや、居て下さい｣




暫くの沈黙の後
最初に口を開いたのは俺だった。
俯いて呟くように
素直に言葉にした。




｢ヌナに愛されたいんだ｣

YS｢馬鹿か？｣

｢お前にはわからないっ!!!｣

YS｢なにが？｣

｢俺だって苦しいんだ!!!
好きになっちゃいけないのぐらい
わかってるけど
止まらないんだ!!!仕方ないだろ？｣


YS｢一番苦しいのは、ヌナだろ？｣

｢･･････｣

YS｢あの人は弱いんだ。
　同じグループのメンバーに
　取り合いされて平気な訳ないだろ？｣

｢･･････｣

YS｢ヨンウン｣

｢･･････｣

YS｢俺も別れる。だからお前も手を引け｣

HC｢はぁ？｣




部屋に入ってきてから初めて
俺はイェソンの目を真っ直ぐ見た。




イェソンは至って冷静だった。
ヌナを傷つけないために
自分も離れると言った。

その目に嘘はない。
あるのはきっと覚悟だけだ。




俺とヌナを天秤には乗せられない。
そうか･･･ヌナは来たくないんじゃない。
もう別れてきたから、来ないのか。

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