story 42 -YOU- ページ6
デビューして2ヶ月が過ぎた頃。
移動車に落書き、
楽屋に届いたプレゼントや花束に
心が折れそうなほどのメッセージ、
共演者からは足を踏まれ
マイクを隠され･･･
散々な思いをした。
でも、ジョンウンオッパには
気にしてないように振舞った。
イタズラ電話が鳴りっぱなしで
夜も眠れない。
事務所に打ち合わせに行く日。
約束の時間は10時。
刻々と時間が迫るのに
用意する気にもならなくて
でも、用意しなきゃと思う自分もいて
スマホと睨めっこ状態だった。
“着信中 ジョンウンオッパ”
出られなかった。
泣きそうで。
でも、このままじゃマズイと
折り返した。
寝坊した振りをして。
事務所に着いたのは
11時を回った頃だった。
｢おはようございます｣
MO｢A!!!｣
｢ごめんなさい。オンニ｣
MO｢A･･･もう我慢するのやめよ？ね？｣
｢でも･･･オッパが傷ついちゃうから｣
マネオンニは私に起こってることを知ってる。
何度も我慢するのやめようと言ってくれた。
でも、ジョンウンオッパが
このことを知ったら
きっと私から離れて行く気がしたから。
限界まで･･･、限界まで。
｢オッパ♪｣
YS｢A!!!｣
｢怒られちゃった｣
YS｢当たり前だろ？寝坊なんて｣
｢失敗、失敗｣
YS｢俺がモーニングコールしてやろうか？｣
｢いいよーー!!!｣
YS｢なんでだよ｣
｢いいのっ!!!そんなに甘えられないもん｣
YS｢家に押しかけてやるからな｣
｢絶対ダメ!!!｣
YS｢うわっ!!傷ついた･･･そんな全力で拒否る？｣
｢あ、まだマネオンニ待たせてるの。
オッパ、またね♪電話するね〜〜!!!｣
立っているのがやっとなのに
笑顔で冗談言い合って、
泣きそうなのに
必死に笑顔で誤魔化して･･･。
そろそろ、限界が近いのかな･･･。
オッパ･･･助けて。
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作者名：さるるん
| 作成日時：2015年11月12日 6時
