story 64 ページ28
練習室の前で
深呼吸を一回。
｢A｣
A｢あ、オッパ♪｣
思いっきり抱きしめて
そのままAに告げる。
｢聞いたか？｣
A｢うん。聞いたよ｣
｢もう、随分前の話だ｣
A｢そっか｣
｢今は俺にはAがいる｣
A｢うん｣
｢アイツも、もうすぐ結婚するんだ｣
A｢うん｣
｢ごめんな。さっき言えなくて｣
見上げて俺の大好きな笑顔で
大丈夫だよと言ったA。
ジニョンに言われた事を思い返す。
“結局、我慢するのはあの子なの”
｢A、我慢するな｣
A｢してないよ｣
｢これからもな｣
A｢うん。オッパ、大好き｣
｢俺の方が好きだけどな｣
軽くキスをして
家まで送り届けた。
宿舎に戻ると
ヒチョルヒョンがちょうど来ていて
勝手にバラすなよと
ちょっとした騒動になった。
そしてコンサートのリハーサルが始まった。
Aのセカンドシングルが発売されて
思った以上の売れ行きだっため
急遽Aは曲が追加になった。
セカンドシングルの活動をしながら
コンサートのリハーサル。
しんどいだろうな･･･。
たまたま、Aが歌番組に出演する日
他のトーク番組の収録で
同じテレビ局にいた俺は
キュヒョンとAの控え室へ
会いに行くことにした。
“コンコン”
『はい』
｢Aーーー♪｣
A｢オ･･･オッパ｣
なんだ？その感じは？
嬉しくなさそうだな。
｢緊張してる？｣
突然、涙を流したA。
思わず抱き締めたけど
何がなんだかわからない。
KH｢誰にやられた？｣
｢え？｣
KH｢ヒョン、気づいてないんですか？｣
｢なにが？｣
KH｢衣装にシミ。コーヒーですか？｣
よく見ると白いワンピースに
茶色の大きなシミが出来ていた。
｢ジニョンは？｣
A｢今、別の衣装の手配に行ってる｣
｢誰かわかるか？｣
A｢わかんない。トイレから戻ったら
こうなってたから･･･｣
また泣き出したA。
せっかくのメイクがダメになる･･･。
｢A!!!しっかりしろ!!!泣くな｣
A｢･･･はい｣
｢順番まで何分？｣
A｢2番目だから･･･あと15分くらい｣
｢キュヒョナ、俺達のメイク連れて来い。
俺は順番変えてもらってくる。
A、しっかりしろ。俺がいるから｣
KH｢了解｣
とりあえずスタジオだな。
PDか？ディレクターか？
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作者名：さるるん
| 作成日時：2015年11月12日 6時
