story 57 ページ21
Aが辞める･･･。
俺がちゃんと支えていれば
こんなことにはならなかったのかも･･･
そう思うといても立ってもいられなかった。
夕方、予定より少し遅れて
仕事を終えた俺は
宿舎に戻ると車の鍵を手に
宿舎を出ようとした。
KH｢ヒョン!!｣
｢なに？｣
KH｢どこへ？｣
｢Aを探さないと｣
KH｢辞めるって話、本当なんですね｣
｢まぁな｣
KH｢あてはあるんですか？｣
｢ない｣
KH｢ないって･･･ハァ｣
ため息つかれた･･･。
だってしょうがないだろ？
ないものは、ないんだ。
KH｢SNSとか見ました？｣
｢なんで？｣
KH｢いや、何か呟いてるかもと思って･･･｣
あー、そうか。
SNSを開くと
Aの呟き。
“久しぶりのアッパ&オンマと”
添えられた写真は
食卓の写真。
｢実家か？｣
KH｢知ってるんですか？｣
｢あぁ･･･でも1時間ぐらいかかるかな｣
KH｢1時間ならなんとかなりますね。
お気を付けて｣
｢え？｣
KH｢行かない気ですか？｣
そうだよな。
ここで行かなきゃだよな。
｢いや、行ってくる｣
KH｢はい｣
運転しながら思った。
実家ってことは
アボジ&オモニがいるよな？
いいのかな･･･遅くにお邪魔して･･･。
いや、でも･･･
今日じゃないと時間が無いぞ。
意を決してインターホンを鳴らすと
優しそうなオモニの声が
少しだけ俺の緊張を解してくれた。
Aのアボジもオモニも
優しそうな人で
帰り際に2人で｢Aをよろしく｣と
笑顔で言ってくれた。
｢A｣
A｢はい｣
｢ソウルで待ってるぞ｣
A｢･･････｣
｢A？｣
A｢オッパ、ちょっと待ってて!!!｣
な、な、なんなんだ？
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作者名：さるるん
| 作成日時：2015年11月12日 6時
