story 55 -YOU- ページ19
オッパが帰るのを見届けて
縁台に寝転がって空を仰いだ。
曇ってるな･･･星が見えない。
私には荷が重すぎた。
夢は夢のままにしておくべきだった。
オッパ･･･一緒に歌えて
私は幸せだったよ。
｢もしもし。Aです｣
『おう、どうした？』
｢すいません･･･突然で申し訳ないんですが
セカンドシングルの活動を終えたら
私、辞めます｣
『は？辞める？』
｢はい。私には荷が重すぎました。すいません｣
『待て待て。話し合おう。な？』
翌朝、室長に電話して
辞めると伝えた。
もう一度、もう一度だけ
オッパと一緒にステージで歌いたかった。
アッパとオンマに会いたいな･･･。
思い立って
実家に向かうことにした。
ソウルに出てきてから
ほとんど電話だけで
会いに行かなかった実家。
ソウルから1時間くらい。
遠距離バスで着いた時には
少し薄暗くなっていた。
明日は午後からだから
泊まって帰ろう。
｢オンマーー!!!アッパーー!!!
ただいまぁーーー!!!｣
母｢A!?｣
｢ただいまぁ｣
母｢急にどうしたの？｣
｢オフになって時間があったから｣
母｢もぉっ!!!あんたは電話ばっかりで･･･｣
泣きそうなオンマ。
ごめんね。
でもね、私頑張ってたんだよ。
母｢とにかく入りなさい。
泊まれるの？｣
｢うん｣
私の好きなものが沢山並んだ食卓。
オンマの笑顔とアッパの笑顔。
｢ねぇ、私帰って来ようかな？｣
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作者名：さるるん
| 作成日時：2015年11月12日 6時
