story 26 -YOU- ページ26
ジョンウンと約束した。
韓国に戻ったら連絡するって。
私が韓国に戻るまで一週間。
考えなきゃ。
悩まなきゃ。
どーするの？A？
仕事の合間に訪ねたのは
行きつけのハンドメイドのお店。
店員｢あら、先生お久しぶり｣
｢ご無沙汰してます｣
店員｢こっちに戻ったんですか？｣
｢いえ、仕事で｣
店員｢へぇー。で、今日は？｣
走り書きしたブレスレットのデザインを
店員さんに渡すと
嬉しそうにこう言われた。
店員｢恋人ですか？｣
｢え？あ、いえ｣
店員｢んー。じゃあ届くといいですね｣
一時間程で注文したブレスレットは
完成した。思ったよりいい出来。
食事に誘ったとしたら･･･
一人では来ないよねきっと。
ウネあたりかな･･･。
ついでに二人分のブレスレットを購入して
店を、日本を後にした。
韓国に戻ってジョンウンに帰国を知らせた。
帰国を知らせるメールの後に
“ご飯、食べに来る？”
という、なんだか回りくどいメッセージ
会いたいのバレたかな？
《彩》の個室。
ノックして入るとジョンウンだった。
緊張してる？
会いたいのバレてないね。
先に渡した方がよさそうと思って
ブレスレットを渡した。
｢私がデザインしたんだよ｣
思ったより喜んでくれて
私も嬉しかった。
抱きしめられて
心臓が跳ねる。
ジョンウン。
私は貴方が好き。
でも、果たしてこのまま貴方に向かって
突き進んでいいものなのかな？
ジョンウン。
傍で笑えることに幸せを感じてしまうの。
それが貴方にとって幸せなのか
私にとって正解なのかわからない。
もう少し、もう少しだけ
このままで･･･。
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作者名：さるるん
| 作成日時：2015年1月17日 0時
