story 23 ページ23
エレベーターに二人きり。
思わずヌナの手を握った。
ふり払われると思っていたのに
ヌナの横顔はなんだか幸せそうに見えた。
ヌナ、俺の想いは伝わっているかな?
この手から、この目線から。
俺の初恋のようなこの温かい気持ちが届いているかな?
部屋に戻り
急いで万年筆を鞄から取り出し
外で待つヌナに持っていく。
廊下の端の窓から
夜景を眺めていたヌナから悲しみが溢れてて
俺は後ろからヌナを抱きしめた。
「ごめん、ちょっとだけ」
ヌナは黙って
俺の手を握ってくれた。
プレゼントは喜んでくれた。
「ありがとぉ」
と言った時の笑顔がたまらなくて
調子に乗った俺が
もう一度抱きしめると
コラコラとヌナが腕の中で笑ってた。
まだ仕事が残ってて
もう少し日本に居ると言っていた。
韓国に戻ったらご飯に行こうと
約束をした。
久しぶりの韓国。
ヌナの帰りを待つ。
日本から戻って1週間後
ヌナからメッセージが届いて、驚いた俺は
危うく携帯を落としそうになった。
“ただいま。
今、韓国に到着したよ”
ただの報告なのに
約束を守ってくれた。
ヌナからメッセージが来た。
俺は嬉しくてメッセージを保存した。
事務所の練習室だったのに
俺がスマホを手にニヤニヤしてるから
弟達もニヤニヤして俺を眺めていたようだ。
KH「ヒョン、ヌナからですか?」
「おぅ。まぁな」
EH「ニヤケ過ぎです。」
「いいだろ?嬉しいんだから」
DH「見せて、見せて〜〜〜!!!」
「絶対、ダメ」
3人はニヤニヤ、ニヤニヤ
俺を観察していた。
なんとでも言ってくれ!!
“チャリリン♪”
もう1通、ヌナから届いた。
“ご飯食べに来る?”
小さくガッツポーズをした。
でも1人はダメだよな、絶対‥‥(。-_-。)
仕方なく弟達を誘うことにした俺は
ドンヘとヒョクチェに声をかけた。
喜んで一緒に行くと言った2人。
いや、誘ったけどさ、
そこは空気読んでほしかったな。。。
その日、練習が終わって三人で
《彩》に向かった。
この重い扉の向こうに大好きなヌナ。
この手に抱きしめたくて
ウズウズする相手で、悲しく笑う人。
俺がきっと、幸せに笑えるようにする
大事な人がいる。
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作者名:さるるん | 作成日時:2015年1月17日 0時