story 12 ページ12
手をひらひらとして
俺を近くまで呼んだヌナ。
あの日のように
手が届かない距離をとって座った。
WH｢早いね｣
｢目が覚めてしまって｣
ふーんと言ってヌナは
空を仰いだ。
WH｢ジョンウナ
向こう向いてじっとしてて｣
そう言うと手に持っていた
ノートに何やら書き出して、
10分もしないうちに
ビリビリとノートを破る音がした。
WH｢記念にどーぞ｣
俺の横顔。
何か書いてある。
“wrap in love”
絵が上手いねと言うと
ふふっと嬉しそうに笑った。
WH｢そろそろ、行こうか？｣
そう言ってヌナが立ち上がって
俺も次いで立ち上がり
並んで歩いた。
｢身長、どのくらい？｣
WH｢150ちょいかな｣
俺の肩に届くか、届かないか。
あぁ〜〜〜抱きしめたいっ!!!
可愛すぎる。
｢ヌナ、手繋いでいい？｣
一瞬驚いたものの
んっと言って手を差し出してくれた。
身体も小さいけど、手も小さい。
人の事言えないくらい俺も小さいけど
その小さい俺の手に収まる。
あったかい手。
俺の鼓動が手を通じて伝わりそうで
益々ドキドキした。
ヌナは手をブラブラさせて
時折、空を見上げたり
沿道の木を見たり
俺を見て微笑んだり
なんだか楽しそうだった。
なんて幸せなんだ。
このまま時間が止まればいいのに。
？｢ヒョン!!!｣
後ろから声を掛けられた俺は
慌ててヌナの手を振り払った。
うわっ今の感じ悪かったかな‥‥。
後ろに居たのは
ドンヘとヒョクチェ、キュヒョン。
ただならぬ空気に3人が固まっている。
なんとなくばつが悪くて
俺はヌナに挨拶をして
その場を立ち去った。
感じ悪かったよな……今の。
どうしよう。
頭を抱えていると
さっきの3人が部屋までやって来た。
DH｢ヒョン？｣
｢なんだよ｣
DH｢ヌナと付き合ってるの？｣
｢ちげーよ｣
DH｢だって、手繋いでたよね？｣
｢あれは‥‥なんとなく‥‥｣
EH｢はい。ヌナから｣
ヒョクチェが折りたたまれた紙切れを渡すと
2人を連れて出ていった。
紙を広げると“ごめんね”の文字。
いや、いや、
違う、違うんだヌナっ!!!
俺は急いで3人を追った。
｢おいっ!!!
ヌナの連絡先教えてくれ｣
EH｢ヒョン、構わないでやってと
俺言いましたよね？｣
｢なんでだよ!!!
好きなんだから、しょうがないだろっ｣
EH｢傷つけない自信ありますか？｣
｢あるっっ!!!｣
なんの根拠もないが
その時はあったんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 197人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さるるん
| 作成日時：2015年1月17日 0時
