9 ページ9
それから1週間と少しして約束の時間、電話がお店に入ることはなかった。
なぜだろうと考えながら、この間の覗き見を思い出す。
取り返しのつかないことをしたと、落ち込みながら
店長から頼まれた新しい仕事へせかせかと向かった。
あのお屋敷からの電話を待ちながら。すぐに1件、また1件と仕事を終わらせた。
「帰ってきて早々頼むの申し訳ないんだけどさ、」
店長が焦った様子で話しかける。
「みんなラッシュで配達行っちゃって。これ、お願いしていい?」
いつもよりひとつ多く遅い出前。
お届け先はあのお屋敷だった。
「分かりました。」
「帰ってくる頃にはいつもより遅いと思うけど、その分給料付けとくからさ。」
そんなことはどうでもよかった。
帰りが遅くなるとか、給料がどうとか、関係ない。
来ないと思ってた、あのお屋敷からの依頼が嬉しかった。
いつもの場所にバイクを止める。
「どうも、お届けです。」
「こんばんは、お入りくださいませ。」
10人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うさぎ。 - 題名、住野よるさんの「また、同じ夢を見ていた」と同じですね。 (2018年2月21日 23時) (レス) id: 428b6fc747 (このIDを非表示/違反報告)
クンミン(プロフ) - 新作ありがとう。まだ内容が分からないからワクワクしてます。ほんとですよ^ ^ (2018年2月15日 15時) (レス) id: 1f2e7aa42e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:あみ | 作成日時:2018年2月14日 22時