【H×H】好き、誰よりも【短編集】 (ページ16)

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皆が起き、今は朝食の時間。

先程起こした彼も、私の隣に来て大人しく席に座りご飯を待っている。

ちらっと此方を見てきたので、早く食べたいんだなと思い挨拶をする。

「いただきます。みんな、ご飯食べて。」

声を掛ければ、無言で食べ始める人もいれば、いただきますと言って食べる人もいれば、本を読んでる人もいる。

そんないつもの光景に、笑みが溢れる。

「何を笑ってるか。Aも、ささとご飯食べるよ。」

「和むなぁと思って。食べますよ～。」

もぐもぐとご飯を頬張る彼の口元に付いている米粒を取り、ご飯を食べる。

うん、今日も美味しくできたかな。

「おいA！おかわりくれよ！」

話しかけてきたのはフィンクス。
フェイの相方みたいな人だ。

ただ、フェイは私が他の男に絡まれるのを好まないらしく、私が話しかけられれば誰彼問わず突っかかるところがある。

「自分でやればいいね。」

「あぁ？それが面倒だからAに頼んでんだろーがよ。」

「ハハ、それくらい出来ないフィンはグズね。」

てめぇブッ殺す！とフィンがブチ切れ、その喧嘩を買うフェイ。

喧嘩するなら外、という声に2人は言い合いを続けながら外に出て行った。

「アンタも好かれてるね。」

次に話しかけてきたのは、苦笑いを浮かべたマチだった。

「あはっ、確かにそうかも。」

「あんた達は私達の前だとカップル感全く無いけどね」

「人前でベタベタすると嫌がるんだもん。」

そう、私はどこでもイチャつきたい派だ。

人前でキスしたいとかではないが、好きな人には触れていたいと思う。

付き合った当初は、嫌がられる度に傷ついたがそれもいい思い出だ。

食器片付けてくるね、とマチに告げ私はその場を去った。

「アタシにはフェイタンは嫌がるというより、照れてるだけだと思うけど…。」

だから、マチの呟いた言葉は私には届かなかった。