【H×H】好き、誰よりも【短編集】

＊ ページ2

ゴンside．



やってしまった。
家に帰る前のA、泣きそうだった。


俺はAが好きなのにAを前にすると、どうしても素直になれない。


傷つけるなんてこと、したくないのに…。


「はぁ〜〜っ……」


深い溜息。

長い沈黙。

ハンター試験の間、Aと離れてすごく寂しかったのに。

本当は目も見たい。

でも、あの綺麗で吸い込まれそうな目を見たら、俺はもう気持ちを抑えることが出来なくなりそうで。


そしたら、Aは俺のところに来なくなりそうで、怖くて。


…


……。



「おいゴン！！おい！ゴーン！」

「ぅわ！キルア！いつ来たの？」

「さっき！お前考え事でもしてたのか？何回呼んでも難しい顔してたからさ」


キルアに相談してみようかな…。
解決できるかもしれないし！


「キルア、相談なんだけど、俺好きな子がいるんだ。でもその子を前にすると素直になれなくて、ひどい態度ばっかとっちゃうんだ。今日もそれでその子泣かせちゃったかもしれなくて…俺、どうしたらいいかな？」

「誰にでも素直なお前が！？まさかの好きな人の前だとツンになるのかよ〜…。まぁ簡単な方法なら１つあるぜ！」


キルアが、笑顔で言った。
嫌な予感がする。


「告っちゃえばいいんだよ〜！！」


面白い事が起こるワクワクからなのか、キルアの顔は晴れやか。
絶対キルアのやつ面白がってるよね…


「キルアのばか！そんな簡単に告白なんて出来ないよ！！」


「告白って、自分が相手のことを好きだっていう気持ちが大事なんだろ？ゴンはその子が好きなんだろ？なら問題なくねぇか？」


キルアの言葉に押し黙る。
確かに、そうだ。
俺はAを好きなのに、傷つけてばっかで、Aが俺が好きなことを気付く前に離れていってしまうかもしれない。


それは、嫌だ。


「…キルア、俺今からAに告白してくる！キルアここで待ってて！」


キルアにそう伝え、俺はAの所へ走って行った。






--- へぇ、あいつの好きな人Aって言うんだ〜。なんてボヤかれてたのは、ゴンは知らない。

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