目が覚めたら同期の家でした（橙） (ページ6)

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「ところでこれ何？」

服と一緒に渡した小さな紙袋を振りながら尋ねる向井くん。

良かった、弁明のチャンス！と思ったけど

『ああ、向井くんコーヒー好きって言ってたから、お詫びにお持ちしました。仕事中とかに飲んで？』

「えー！気使わんでよかったのに！ありがとう！これ、この前言うてたAちゃんおすすめの店のコーヒーなん？」

『え？私そんなこと言ってた？』

「もう！それも覚えてないん？飲みすぎやで！ほんまに！」

やば。だる絡み酔っ払い情報引き出してしまった。
重ね重ねすみません…

でもプリプリと怒る姿がなんとも可愛らしい

『すみませんでした。もうしばらく禁酒します。』

「そうしてや！」

少し冗談めかしてあまり気まずくないように接してくれるところ
やっぱり向井くん優しいなあ。。

少しの沈黙の後、
ポツリ、と向井くんが口を開いた。

「一応もう一回ちゃんと説明しとくんやけど、この前な、ほんまに何もなかってん」

『…ほんとに？コーヒーのだる絡みといい、私すごい迷惑かけてる気がするんだけど…』

「俺が新しいドリッパー買ったんやけど、まだあんまり上手く淹れられないって話してて」

『え、ちょっと待ってまさか…』

そのまさか。
上手な淹れ方教えて、っていうお願いにじゃあ今から行っちゃおー！って私がノったらしい…

「ごめん、俺が珍しいコーヒー豆を買えたって自慢したから…」

『いや、それ100パー私が無理について行ってるじゃん…ごめん』

すごく言いづらそうにしていたけど、

とりあえず水を、と私をソファに座らせたところで私が襲い出したらしく、
慌てて止めて寝かせた、というところまで教えてもらった。

穴があったら入りたいとはまさにこのことである。