片想い。Tomohiro K. (ページ33)

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『んぅ～おいしいー！』

「ほんまな！今までの中でここのが一番美味いわ！」

さすが海外で大人気のパンケーキなだけある。
その分お高いけど……

「んはは。なあAちゃん。ここついてるで」

『えっ？』

唇らへんかな、って指で触る。

「んーん、まだとれてへんで。しゃーないな。」

そっと頬に触れた神山くんの指

突然の出来事に固まる私。

「ほれ！」

彼の指についた薄ピンク色のクリーム。
さっき私が食べたストロベリーのクリームだ。
ほっぺにクリームつけるなんて、子どもか……

そのまま彼は躊躇いもせず、
指についたクリームを舐めた

「あんま！」

ニコニコご満悦な神山くんに変わって、
すごく胸がドキドキしてる私。

そろそろ不整脈でしぬんじゃないか、私。

忘れてた。神山くんは大胆ボーイだってこと。

黙り込んでる私を察したのか、彼は耳元で囁いた。

「んふふ、安心して？俺は好きな子にしかせんよ」

……やっぱり神山くんは大胆だ。

これ以上神山くんと目を合わせてたら
ドキドキしすぎてほんまにしんじゃうから、
そっと視線を背けた。

『ん……？？』

……なんか見覚えのある人がいるんやけど、
ちゃうよね？？

「どしたん？」

『あっこにおる人たち、似てへん？』

「おー…」

彼はその姿を見るなり、大きく口をあけて、まじか・・・と呟いた。

「ちょっと待っててな」

『うん？』

彼は席を外して、頭をかきながらそちらへ行った。