片想い。Tomohiro K. (ページ21)

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望「お待たせしましたー」

『わっ……』

淳太「おいおい、てんこ盛りやないか」

望「Aちゃんが頼んでくれたからな！」

にひひ、と笑う望くん。

私が想像してたのは、小さいパフェか、ケーキのどっちかだった。

けど、この小瀧スペシャルは、苺が溢れんばかりに飾り付けられた小さなワンホールのケーキと、ストロベリーのアイス、ピンクのホイップクリームが添えられたラテの3種類セット。

そんな謎の苺ゴリ押しの小瀧スペシャルだった。

淳太「俺ん時はアイスだけやったやん。えらい差やな」

望「んふふ、今日はご機嫌やから！」

『望くんありがと！』

望「はーい♡それではごゆっくりと！」

あ、そっか。望くんは今バイト中だった。
いつも通りすぎて忘れてた。

パクッと一口、口に含むと、口一杯に広がる苺の甘い香りに、少し甘酸っぱい。

『んふふ、幸せ！』

淳太「よかったな」

『うん！』

三度の飯より苺が好きな私。一度にこんなにたくさんの苺を食べれるなんて幸せ……♡

カランコロン♪

望「いらっしゃいま……あ！神ちゃん！」

「おう」

望くんの"神ちゃん！＂という声で、ハッと我に帰る。
待って。こんなとこで神山くんに会えるなんてやばい！幸せすぎる。

淳太「A、顔赤いで」

『いやだって、好きな人がすぐそこにいるんだもん。無理無理……』

だけど、この幸せな時間は
一瞬にして崩れ去って行った。

チラっと横目で神山くんを見たら、

クラスで一番人気の女の子と一緒にいたから。