片想い。Tomohiro K. (ページ18)

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『神山くん』

「んー、どした？」

休み時間。恐る恐る、携帯をいじる神山くんに話しかける。
いつも通りに、いつも通りに…そう自分に言い聞かせて。

『日曜日、よかったらパンケーキ食べに行かない？』

神山くんは甘いものが好き、ということをリサーチ済み。

パンケーキを餌に、なんて言い方は悪いけどこれをキッカケにしたい。

「おっええよ！いこ！！」

・・・よし！！第一の関門突破！！！！

大毅「え、俺も行きたい！」

なあなあ！なあなあ！とまるで母親に怒られた子どものように駄々をこねるしげ。
ここまでは予想通り。なので、

『望くんー』

望「ほーい」

あらかじめ望くんに言っておいた。
しげが行きたいっていうから、上手いこと丸めてほしいって。

望「しげー、あんなー？コソコソコソ…」

『コソコソコソって話す人いる？？』

大毅「ほーほー。ならしゃーないな！！おい淳太ー！」

淳太「なんや」

大毅「コソコソコソ……」

淳太「ほーん、おもろそうやな。のったわ」

やけにニヤニヤしてる3人。

何を吹き込んだかはわからないけど、納得してくれたみたいでよかった。

「ごめんAちゃん。俺、この後用事あんねん。だからさ、続きは帰ってからでええ？」

『うん、全然大丈夫だよ』

「良かった。ほんならまた後で！」

『ばいばーい』

・・・いや、待って。大丈夫とか言ったけど、

私、神山くんの連絡先持ってへんやん！！！