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「コーラとオレンジ、どっちする?」
『オレンジで』
いいよ、って言ったのに
奢りたい気分やから。と言われてしまい
断れずに買ったもらったジュース。
「ほい。」
渡された缶ジュース。
ちょっぴり冷たかった。
『……ありがとう』
「ふふ、どういたしまして」
隣に腰掛けて、缶のプルタブを開け、
グイッと喉を揺らしてジュースを飲む神山くん。
ただジュースを飲んでいるだけなのに、
とてもかっこいい。と思う私は
神山くんのことが好きで好きで、たまらない。
ゆっくりと流れる穏やかな時間。
ときどき吹く風は、冷たくて
火照った身体を冷ましてくれた。
「なあAちゃん。なんでさっき、泣いてたん?」
『それは……』
言えるわけないよ……
好きな人が女の子と一緒にいるところを見て
嫉妬しました。なんて。
「……ごめん、言い方が悪かったわ」
ぎこちない動きで、頭を撫でてくれて
ますますドキドキしてしまう。
「俺さ、Aちゃんのこと好きやねん」
『……えっ?』
時が止まったかと思った。
「前に言ったやん。俺の好きな人は、一目惚れやねんって。それがAちゃんやねん」
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作者名:ちぃすけ | 作成日時:2020年4月7日 21時