love u... 2 (ページ9)

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掴んだのは彼しかいない。

でももう、あともうほんとすぐに
私は2つ目の涙が溢れそう。

いま、彼をみたらその瞬間……

『ねぇ、こっち向いて？、』

追い打ちをかける彼の言葉に反応できずにいると

掴まれた腕が、彼のほうを向くように
彼の力によって動かされた。

自然と正面に視線を向けると、
目に入ったのは細い首元。

座っていたから気がつかなかった
私より10センチほど背の高い彼。

無意識に、私は視線をさらに上げて
彼の目をまた見てしまった。

『……なんでそんな、悲しい顔すんの…？』

そう聞こえた気がする。

私は、誤って見上げてしまった
彼の整った顔を見ながら、
いつのまにかどんどんと大きくなっていた
自分の彼への気持ちに必死に蓋をしようともがいてた

でも、そうもがけば、もがくほど
気持ちは何故か大きくなって
同時に悲しさも膨らむ。

……なんでそんな、悲しい顔すんの

つい数秒前に聞こえた彼の言葉が
今になって脳に響く

もうがまんできなかった、
私の両頬を、ひんやりとした感触がつたった。

彼の右手が私の頬に突然触れて
涙を拭う

『……なんで、泣いてんの？』

先ほどから、
落ち着きのある、声量をおさえた、
それでいて、憂いのある声で
彼がゆっくり、なげかけてくる。

涙をこぼせたことで
反対に少し冷静になれて。
そして今、
涙を手で拭いてもらった事に恥ずかしさを感じて
じわりと自分を取り戻しつつある。

ほぼ初対面で、5個も年下の子に
泣くとこみられて、まして拭いてもらうなんて。

その事実を2回ほど脳で繰り返して。

ーーごめんなさい、
私、酔うと時々勝手に涙が出ちゃう人なんです、笑
変ですよねー、治したいんですけど…
お酒弱くないのに、ワインはやっぱ手強いなーっ

そう、はは、っと笑いながら一気に話して、

ーーじゃあちょっと、行ってきますね…

ともう一度ドアの方を向こうと

動いたが、彼がそうさせてくれなかった。

『…今の話、もっかい聞かせて。俺の目を見て』

…見抜かれてる。そう感じた。
それと同時に

"好きになってはいけない人"
"今日で最後"

の決意がまた私を苦しめる。

何か言わなきゃ…

ーー…え？なんでそんな、笑
ほんと、変な癖なんですよ、
こんな顔見られたくないので、ほんと、
すぐ戻りますから。

そう少し強めに、彼の顔を見ずに伝えた。

彼は一呼吸置いて、私の手を離してくれた。