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love u... 86 ページ37

お風呂から出て
髪を乾かしていると
ふと香ってきた香水の香り。


すぐ横にかけていたコートが目に入る


ーー樹くんに連絡しなきゃ


仕事で明日行けなくなったのは嘘じゃない。
事実を伝えるだけ。



……仕事じゃなかったら?


昨日、もう今後樹くんとは
関係しないと、決めた。


それを、勘がいい樹くんに何度も
見抜かれた気もする。



それに

『俺、Aさんこと、好きです。』


『俺の言葉、信じてよ。
 返事は後でいいから。』


そして、キス




心がちくちくと痛む。

仕事じゃなければ、私は、
会うことを選択してしまったかもしれない。

でも、

住む世界が違う樹くんと
このまま関係していたら、彼に迷惑をかける。

傷が浅い、今のうちに引いた方が





自分の気持ちが、
彼に会いたい、と
彼の方が特別で、もうたぶん好き、と
必死に胸のあたりを叩くけど


ーーお互いのために、今ここで引くの。




シワひとつなく張られたシーツに身を投げる。



明日、仕事で会えないことは明白なのに
その連絡をする方が緊張する。


何度も堂々巡りの、感情と頭の
全く別の人間とも思える葛藤。


そんなことを繰り返しているうちに
ふと気がつくと2時過ぎを示す時計。




…さすがに起きてないかな。



起きてないだろう時間であることに気がつき
少し安心して文面をつくる。


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昨日はありがとうございました。
ごちそうさまでした。

案の定、今仕事で名古屋の方にいます。
なので今日はお会いできません。

せっかくのお休みに、予定頂いてたのに
直前の連絡になってしまいごめんなさい

どうか、お体ご自愛くださいね
--------------------------------------------


一般人より不規則だとわかる彼の仕事。
せっかくの休日を私のせいで無駄にした
彼に申し訳ない気持ちでいっぱい。

急に冬を感じ始めたから
お体ご自愛くださいって書いた。




もう、これで何もない。
約束は何もない。


このまま私が、
彼の連絡先を消して、拒否もしてしまえばいい。



きっと彼はすぐ、忘れる……









ーーさようなら。



メッセージを送り、

そのままの勢いで




着信拒否を設定して



彼の連絡先を消した。




出会ってたった2週間、
実際に連絡通じ合ってたのは5日間くらい。

なのに、


ポロポロと止まらない涙が
後悔と、彼への気持ちの大きさを教えてくれる。





(明日展示会、、)


そう思うのに、止まらなくて。

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設定タグ:田中樹 , SixTONES , 年上   
作品ジャンル:タレント
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作者名:Nagi | 作成日時:2021年2月27日 0時

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