love u... 51 ページ2
.
..
...
『話してくれて、ありがとうございます。
すごい、びっくりしちゃって、、
ご活躍、ごめんなさいあんまり詳しくないんですが、ちょうどあの日の後、田中さんをテレビで拝見しました。街でも見かけます。
大人気ですね…!本当、光栄です』
今日、はじめてこんなに長くAさんの声を聞いた気がする。
騙した形になってごめん、と
謝った俺に対しての返答。
…でも
(…なんかいやだ、違う)
理由はうまく説明出来ないけど
咄嗟にそう思った。
Aさんは続けて、
乾杯しましょうか?なんて言ってきた。
さっきまでのAさんとは
まるで別人に感じる。
……少し遠く感じる。
ただ、拒絶されなかった事が単純に嬉しかった。
最悪この場から立ち去っちゃう可能性もあったわけで。
「待たせてしまってすみません』
と言いながら、もうだいぶ気が抜けてしまっただろうスパークリングワインが入ったグラスを持つ彼女。
ーーあ、うん、じゃあ、えーっと
この出会いに?笑 乾杯!
はじめて見る、Aさんのはにかんだ顔。
そもそもこんなにじっくりと姿を見れたのもはじめて
この出会いに、って言った部分がどうやら彼女にウケたようで、『面白くて涙がでちゃった!笑』なんて言いながら目尻を指で拭っていた。
さっきまでとは話し方も態度も別人みたいだけど、
もともと感じていた芯の強さ。
それに5歳年上。
現実を知って、理解して、
必死に受け入れてくれたんだろう。
なんか違うとか、嫌だとか、遠いとか
俺が勝手にそう感じただけかも知れない。
(勝手に不安になるとか相当やられてんじゃん、俺)
『この出会いに乾杯とか、いつも使うんですか?』
ーー言わないですよ!
『売れない芸人さんのネタみたい、』
ーーだから言わないですって!
『ふふ、面白い』
Aさんの緊張もだいぶほぐれたようで、
普通に笑いを交えて会話できる。
667人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Nagi | 作成日時:2021年2月27日 0時