StLtH26 (ページ10)

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「・・・。」

すごいな。

みゅうさんはデザイナーになるって決めて専門学校に入ったあの頃から、コンテストで入賞しまくって結果を出して本格的な留学を終わらせて、またさらなるステップアップの瞬間もずっと見守ってくれる人がいて、ずっと応援してもらいながらどんどん成長して、その成長を自分のことのように嬉しく思ってくれる人達に囲まれていて、羨ましい。

うまく言えないけど、自分は夢を叶えられなかったからみゅうさんを取り囲むその環境がとても輝かしくて胸が苦しくなる。

でも、みゅうさんは着々と夢に近づいていってる。
たくさんの努力をしてここまで辿り着いたことは、私もよく分かる。

私はみゅうさんみたいになりたかったんだな、と改めてみゅうさんに向かう尊敬や羨望がどんなものだったか改めて思い出して泣きそうになった。

チラッと振り向いたみゅうさんが私の顔を見てびっくりすると「え、Aが泣いてんの？」と言うから、「泣いてないから」と言って顔を逸らす。

近づいてきたみゅうさんにケーキを押し付けると、「なんでAが泣くの～？(笑)」と笑うから恥ずかしくなって顔を抑えた。

「みゅうさんが居なくなって一番寂しかったもんね～？」とふざけたような声の謙さんに「いーや、別に？」と返すとそれに便乗した怜央くんが「みゅーとくん送った帰りにガチで泣いてたからね」と暴露されて、それを聞いたみゅうさんがすごい嬉しそうな顔をして「Aそうだったの～～？」と顔を緩ませるから本当に恥ずかしくて「怜央くんの言うことは信用しないで」と訴える。

翔「泣いてるところみんな見てたけどね」

「っ～！」

謙「一番構ってくれるおにーさんが行ってしまったからね」

佑「意義あり！一番構ってあげてるの俺なんですけど～！？」

慧「一番構ってくれる『おじさん』ね」

佑「おいこら、萩谷」

怜「まぁでもAはみゅーとくんと一番仲良しだったからね？」

何もこんな大勢が見てるときに暴露しなくても・・・！と思ってるとみゅうさんが「Aちゃん、ただいま♡寂しくさせちゃってごめんね♡」って調子に乗って頭を触ってくるからそれを振り払って「違うから！」とみゅうさんを睨んだ。

美「(笑)」

そのあとも散々みゅうさんのことで弄られて耐えきれずちょっとの隙を狙ってお手洗いに立った。