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Myuto Side
いつの間にか全然喋らなくなったな、と思いながら隣と見るとガッツリ寝てしまったAを見つけて「え!」と驚くと呆れたように笑う北斗が「もう5分くらいスリープしちゃったけど?」と教えてくれる。
あぁ、もうちょっとしたら一緒に帰ろって言ったの俺なのに。
美「ごめんね〜」
と言いながら自分のジャケットをとりあえず被せて、ずっと言わないで待っててくれたんだなと思うとその寝顔が可愛くて。
ずっと頑張ってたAは本当に今日を楽しみにしてたから。俺もそれ見ててすごく嬉しかったし。
美「謙ちゃん、俺ら帰るねー」
謙「うん、Aがガチで寝ちゃったからさっさと帰りな(笑)」
美「俺が悪いね、これは」
ハ「疲れてるように見えたから起こすの可哀想」
A、起きれる?大丈夫?と肩を揺らすと「う、うーん」と頷いたけど全然大丈夫じゃなさそうで、「ほら、帰るよ」と目の前に立つと「ねむい・・・」と拙い言葉を出す。
これだけの人がいるのに完全にスイッチがオフで無防備な可愛いところはみんなに見せるの嫌だなぁと思いながら彼女を立たせて「帰るからみんなにバイバイしな」と口にすると眠そうに目を開いて「さよーなら」と口にして頭を下げた。
風「可愛い(笑)」
北「こんな一面あんだね」
美「じゃあ、帰りまーす」
樹「気をつけろよ」
ハ「みゅうちゃんもAちゃんも本当にありがとうね」
謙「あ、ビハインドの鑑賞会はお前こいよ!」
美「はーい」
みんなに手を振って、とぼとぼ歩くAに手を差し出すと素直に握ってくれて「こんな時」だからこそを楽しむ。
あぁこんな暗いところでニヤニヤしてる俺気持ち悪いなぁ、そう思いながら助手席に乗せて「シートベルトするね」と失礼して付けてあげると「うん」と彼女は頷いた。
美「Aちゃん?」
「ん?」
美「眠い?」
「ん」
美「早く帰って寝よっか」
もう半分寝てるAは俺の話をまともに聞いてないまま返事してるだろうなと細く微笑みながら「俺と寝る?」とちょっとふざけて問いかけてみると「いや」と返ってきて「なんだちゃんと聞いてた」と思わず笑いが溢れた。
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年7月5日 14時