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ハ「っ、」
あぁ、こんなプロポーズ断る選択なんてないよ。
謙ちゃんのプロポーズならどんな形でも受け入れるのに、私のためにこんな大掛かりでたくさん大変だったはずなのに。
胸が苦しくて、
感じる愛の分だけ苦しくて。
本当にこの人の隣に来てから幸せしか貰ってないと実感する。
大きく頷いて「よろしくお願いします」と頭を下げると謙ちゃんは今日一番の嬉しそうな顔で笑って思いっきり私を抱きしめた。
胸がいっぱいだった。
ちょっと遅れて照明が明るくなると、どこからか拍手が聞こえて。
気付くとみんなが私たちを取り囲んでて。
「みんな知ってたのか」と思うとまた涙が出てきて。
樹「・・・ハルさんおめでとう!」
風「どう?一生に一度の思い出は?」
北「ふふ、おめでとう!」
佑「やっさん大成功だな」
慧「はぁ、よかった〜」
エ「ドレスすっごい綺麗」
サ「おめでとうございます!それと、あの虫歯じゃないですからね!メイク間に合ってよかった!!」
顕「それ今言う?(笑)」
宮「ハルしゃんっ・・っっ俺もう涙止まんないっ」
「うんっ」
美「ちょ、A泣きすぎじゃん?」
「だって・・・」
猪「あ、カメラ!」
大「ちょっと照明遅かったかな」
翔「今更?(笑)」
怜「ちょっと寂しいな」
謙ちゃんの腕の中でみんなを見渡して私はここにいる限りこんなにも素敵な人たちに囲まれて生きているんだな、と実感してまた涙が溢れる。
しっかり者でテキパキ動く厳しいハルさんはどこに行ったんだろう。
最後にミホコと目が合ってミホコが潤んだ瞳で「おめでとう」と言うから本当に胸が熱くなって今日の私は泣いてばっかりで情けないけど、今日くらいは甘えん坊の妹に戻りたくて「お姉ちゃん、ありがとう」と呟く。
謙「ハルちゃん?」
ハ「うん」
謙「幸せになろうね」
ハ「うんっ」
いつもより頼もしくて何倍もカッコよく見える彼に思い切り頷くと、またここから、この特別な場所から私たちは別の物語を始めるんだと実感が湧いてこんな幸せな日はないだろうと思った。
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年7月5日 14時