StLtH26 (ページ36)

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Juri Side

「はーい」と風磨が電話を切ると「安井がハルちゃんが帰ってきたって」と俺に伝えてくれると俺はもう一回会場を覗いてから「OKサイン」を出す。それを見て一回頷いた風磨はサクラちゃんに電話を入れた。

昨日の最後の打ち合わせでも場の空気は真剣で、俺も風磨も今日は柄になく緊張気味でだった。
Aちゃんが真面目に頑張ってくれたおかげでいつものタルーレが見違えるほど別の場所になって、足元に散らばる薔薇の花びらを見つめては少し寂しい気持ちになった。

安井が結婚するなんてタルーレに来た時には全然考えてもなかったし、ましてやプロポーズの大事な瞬間を作り上げる手伝いが出来るなんて思ってもなかった。

風「何ちょっと泣きそうになってんだよ(笑)」

風磨はそうやって俺を弄るけど、同じような顔してるって本人は気付いてない。

樹「いや～感慨深いなぁって」

風「まあね」

三人でバカやってきたし、こうやって親友の大事な場面を迎えるとなんか嬉しいけど寂しい。

風「篠崎ちゃんが来てからタルーレも変わったよね」

樹「うん、正確には篠崎姉妹が来てからだけど(笑)」

風「そうだな」

1年でめっちゃ変わったと思う、と俺が言うと風磨も頷いて「アイツらって付き合って1年しか経ってないのが不思議なくらいだよ」と口にする。

樹「確かに」

それぐらい安井だけじゃなく俺や風磨だってハルさんの存在には影響されてる。

二人で真正面からいつもと違うタルーレを眺めていると、「黄昏てるところ申し訳ないんだけど・・・」と北斗が割って入ってくるから風磨と顔を見合わせて噴き出した。