StLtH26 (ページ35)

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美「おっもぉ～」

樹「あぁ～みゅーと大丈夫？」

美「平気平気！」

私がハルさんの歩くルートに沿ってキャンドルを並べる位置を確認していると、後ろでそんな声が聞こえて振り向くとみゅうさんが大きなダンボールを抱えて入ってきた。

美「A、届いたよ」

「はーい」

みゅうさんありがとう、とお礼を言ってざっと50個くらいはあるだろうグラスキャンドルをダンボールから出した。

宮「Aちゃんっ」

「うん？」

ライティングなんだけどこれで大丈夫？と確認を取りに来たチームハルさんのちゃかちゃんが猪狩くんに向かって手を挙げると店内が暗くなって中心部だけにロマンチックな明かりが灯される。

「バッチリじゃん！」

私が大きく笑うとちゃかちゃんがよし！と笑って「猪狩もう良いよ！」と両手で大きな丸を作った。コンセプトはとにかく上品でロマンチックなドラマに出てくるようなサプライズプロポーズをイメージした。

キャンドルを並べて、みゅうさんに正面から写真に収めて貰ったものを一緒に見て「どう？」って意見を聞く。

美「なんか文字が一部分だけ薔薇で隠れちゃうね」

「うん・・・ズラしてくる」

美「あ、俺が行くよ」

みゅうさんがいっぱい協力してくれたから思ったよりも早くことが済みそうだ。
みゅうさんはこの後謙さんのスタイリングをしに行かなきゃなのに、働き者だから。
気合の入った背中を見つめて口角をあげる。

脚立から振り向いて「どう？」と大声を出す。「危ない危ない」と、大きく丸を出して早く降りるように急かすと彼は恥ずかしそうに笑った。

風「Aちゃん？どう？」

会場の準備次第で次の指示を出さなきゃいけない風磨さんが近づいてくると、私は「最終確認します」と言ってからOKサインを出した。

私の大まかな仕事が終わってあとはハルタロウの写真の現像とブーケ担当のはぎエリを待つだけで。

ふぅ、と裏でしゃがんで休んでたら「大丈夫？」とみゅうさんが水を差し出してきた。

「あぁ、はい(笑)」

有難く水を受け取って「なぜか緊張して寝れなかった」と口にすると「なんかAらしいや」と呟いて私の頭を撫でた。

「風に当たりたいから向かいの公園行ってくる」

美「一緒に行くよ」

「うん」

そう言って裏口からタルーレを出た。