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紫「しらね」
慎「俺も」
紫「気づいたらめっちゃ喧嘩してた」
慎「その前まで二人きりにしてたから」
紫「そ」
「うーん・・・」
慎「まぁそのあとは顕嵐の言う通り最悪だったよね」
紫「知ってるだろ、あいつら一度喧嘩したら口聞かないの」
「まぁ」
慎「宮近が不憫な事に巻き込まれてしまったのは可哀想だけど」
「そこをなんとかしてよ、紫耀」
紫「あぁ、めんどくせー」
「ねぇ」
紫「俺まで飛び火食らうわ」
「そこをなんとか」
紫「自分で言ったらいいじゃん」
「・・・、私はもう」
紫「ん?」
「余計空気悪くしちゃいそうでしょ」
紫「間違ってはないけど」
「だったら、」
慎「A、必死だな」
「だって・・・気になるじゃん」
紫「なんか変わったよな、お前」
昔だったら誰が喧嘩してようが知らないって感じだっただろ、と紫耀がチラッと横目で私を見つめる。
「そうだけど、じんと玄樹の喧嘩は別でしょ?」
だって二人は私にとって大事な人たちだよ、と紫耀の顔を見つめる。
「本当だったら私だって自分で話聞きに行きたいけど・・・」
紫「あーもうわかったわかった」
俺がなんとか仲直りさせるからそんな顔すんなよ、と彼は顔を歪めては「悔しくなるわ」と零す。
慎「やっさしー」
紫「うるせえな」
「紫耀、ありがと」
そう言うと彼は薄く口角を上げては「お礼はデートでいいよ?」と口にするから「それはまた別の問題だから」と返すと「じゃあ、この話はなかった事に」って私を試すように言う。
そんな・・・と顔をする私を紫耀は笑い、私たちの会話を聞いていた慎ちゃんが「じゃあ、俺とデートしよ!」と肩に腕を回そうとしていたのでそれを跳ね返して「どっちもしないよ!」と声を上げたら案の定ブーイングが返ってきた。
結局その日は紫耀に話をつけただけでどうなったかはわからなかったんだけど、数日後に「もう大丈夫だから」とメッセージが来てじぐいわが仲直りしたことを知った。
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作者名:愛美 | 作成日時:2020年7月5日 14時