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怜「あれんおかえり〜〜〜」
顕「おう、ってか・・・A、ちょっときて」
「帰ってきて早々うるさいなぁ」
顕「非常事態なの」
やばいんだけど、と口にする顕嵐はずかずかキッチンに入ってきて私を引っ張ると「喧嘩しちゃったんだよ」と深刻そうに耳打ちしてきた。
怜「二人だけ内緒ばなしー？」
顕「お前には関係ないから」
慧「バッサリ言ったな」
翔「辛辣プリンス」
「ん？誰と誰が？」
顕「だから、」
じんぐーじといわちが！と顕嵐が声を上げる。
私は二人が喧嘩してる状況を思い浮かべて首を振ると「ん〜あの二人の喧嘩は長いよ？」と顕嵐に告げた。
顕「まじで戦争起きるかと思った」
「でしょうね」
カップルの喧嘩より長いし激しい二人だもん。そのうち仲直りするよ、と口にして料理の作業に戻ろうとする「問題なのは宮近が大変なんだって」と顕嵐が困った顔をする。
「はぁ」
そうだ、そうだった。
あの二人の喧嘩は周りも巻き込むんだった・・・。
顔を抑えて、それは困るな・・・と思いながらも私が今更間に入ったらもっと悪化するしなーと考えを巡らせる。誰か私よりも二人をよく知ってる人・・・。
「あ」
顕「ん？」
「一人いるじゃん？」
顕「何？」
「紫耀に言ってみて？」
顕「なんだ紫耀かよ」
紫耀なら真っ先に知らん顔して帰っちゃったし、と顕嵐が言うから紫耀のそれも的確な判断なんだけど・・・と心の中で呟く。でも、他にいないしな・・・。
「ちょっと待ってて」
スマホを出して大げさにため息を付く。強引に渡された番号をついに打つ時がくるなんて。ブツブツ隣で言ってくる顕嵐をあしらいながら番号を打って着替え終わったみゅうさんが降りてきて「なんの騒ぎ？」と私たちを見た。
怜「なんか大変らしい」
顕「早くかけて」
耳にスマホを当ててコールを待つとすぐに「はい」と独特な声。
「・・・もしもし、紫耀？」
怜「ショウ？」
翔「噂の？」
美「ん？ん？誰と電話してんの？」
慧「Aの初恋の元彼？」
美「ラスボスじゃん・・・」
そんな声を背中に向けられてるのも知らずに電話の向こうから聞こえるその声に集中すると「まさか、A？」と名乗ってもないのにたったの数秒で私だとわかった彼に呆れながらも「そう、Aなんだけど頼みがあって」と言うとすぐさま「なに？俺に会いたいの？てか連絡するの遅いからな！」と自信過剰な声。
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作者名：愛美
| 作成日時：2020年7月5日 14時
