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翔「あーめっちゃいい匂い」
怜「腹減った〜」
慧「早く食いたいなら待て、じゃなきゃ手伝え」
翔「はぎちゃんこっわ！」
怜「も〜、腹減ったって言っただけじゃん」
次の日の夜。
モロ先輩と怜央くんが寛いでるのを見ながら夕飯を萩ちゃんと協力しながら作ってる最中。そんな会話が繰り広げられているキッチンに帰宅してきたみゅうさんが「ただいま〜」と入ってきた。
美「あれ〜顕嵐ちゃんまだなの？」
「もう帰ってくると思うんですけど」
美「あぁ、そう」
それだけ言って着替えに上に行くみゅうさんを見送るとモロ先輩がカウンターに座って私たちの作業を覗いた。
翔「そういえばさぁ、Aって料理出来るけど誰に教えてもらったの？」
「料理ですか？」
翔「うん。ずっと料理食べてるけど普通に上手いし。サユリさん？」
「あぁ、いえ」
ん？と首を傾げるモロ先輩に「料理はですね、紫耀・・・っていうか高校時代付き合ってた彼氏に教えて貰いました」と口にすると萩ちゃんも怜央くんも驚いた顔を私に向けた。
翔「例の初恋の人？」
「あ、はい」
慧「どういう経緯で彼氏に教えてもらうわけ？」
怜「超きになるやつじゃん！」
みんながワクワクした顔を向けるからなんだか恥ずかしくなってくる。
「えーっとですね」
怜「どれぐらい付き合ってたの？」
「んー、1年くらいかな」
翔「カッコよかった？」
「はい、そりゃあ」
そりゃあって言ってしまったけど、客観的に見ても紫耀は「そりゃあ」カッコイイの枠に入ると思う。
慧「そんなにカッコいいんだ」
「まぁ初恋だったし、初めての彼氏だったし、相乗効果が重なって重なって・・・あの時はこの人本物の王子様だ、って思ってました。恥ずかしいことに」
怜「うわ〜、そこまで断言できる？顕嵐とどっちが王子様？」
その質問にこの前画面越しに見た二人のツーショットを思い出しながら「いい勝負かな？」と首を傾げると3人は「じゃあ、王子様だな！」と納得する。
翔「それに加え料理も出来るとか、最高じゃん」
「私も彼もほぼ一人暮らしだったので。彼の部屋に入り浸ってたし、その流れで一緒に料理をすることが多くて」
慧「高校生で？」
「はい。それなりに楽しかったですよ」
怜「なのに1年で別れちゃったんだね」
前にこの話をしてたら泣いちゃってただろうなと思いながら「いろいろあったの」と微笑むと、そこにシェアハウスの王子様が帰宅してきた模様で。
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作者名：愛美
| 作成日時：2020年7月5日 14時
