StLtH26 (ページ14)

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お誕生日だから私が買うって行ったのに「デートですから」とそれを口実に私を黙らせたみゅうさんは入場券を買ってくれたのちに私のところに戻ってきて、「行くよ？」と私の手を引いた。

たくさんいるスヌーピーを見て小さな声で「可愛い」と呟いたり、すごくはしゃいでるのにそれがあんまり表情には出てないけど何度も「楽しいね」って笑ってくれたり。前にデートした時のことを思い出して、ちょっと泣きたくなった。

少し立ち止まって、楽しそうに展示物を見てるみゅうさんを見つめる。

・・・みゅうさんのこと傷つけてばっかりだった。
約束も守れなくて、自分ばっかりで。
だけど、そんな私でも呆れずにこうやってまた一緒に居てくれるのだ。

あぁ、すごい申し訳なくなってきた。
せめて悪いと思ってるなら楽しい顔しなきゃいけないのに。
それが、みゅうさんにとって嬉しいことだってわかってるけど。

美「A？」

「あ、ごめん」

私の様子を伺ってちょっと戻ってきたみゅうさんが「どうかした？」と眉毛を下げるから笑って何でもないよって近くと彼は「今日だけは許してね、」と私の手を取った。

「あ、」

美「わ、動いた」

壁がスクリーンになっていてさっきまで動かなかったそのアニメーションが動くとみゅうさんはそれに夢中だったけど、私は繋いだ手が気になってほとんど内容を覚えていたなかった。

撮影OKの場所では「A撮って～」ってみゅうさんがスマホを差し出して来て相変わらずポージングの天才なのだけど「恥ずかしくないのか？」と思いながらパシャパシャと撮っている間もお姉さんたち見てるよ、と突っ込みたくなった。そこら辺の感覚は留学してから変わったらしい。

美「よーし、一緒に撮ろう？」

「えっ」

みゅうさんは恥ずかしげもなくスマホをお姉さんたちに渡しては私の手を引いてオブジェの前に立った。

「恥ずかしいなぁ」

美「可愛いからだいじょーぶ」

「そういう問題じゃない」

美「あ、笑って」

撮りますねー！とお姉さんの元気な声、みゅうさんがそういうので口角を上げるとお姉さんが写真を撮ってからスマホをみゅうさんに差し出して「大丈夫ですか？」と確認する。

美「あぁもうバッチリです。ありがとうございました」

いえいえ、とみゅうさんに微笑んだ彼女たちは私に視線を向けて「可愛い彼女さんですね」と言うからハッとして目を丸くしたらみゅうさんは「ですよねぇ～？」とちょっと悪い顔をして私を見た。