StLtH25 (ページ46)

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顕嵐に言われた通り私は自分の誕生会の時を思い出して倍返しな誕生日プランを考えていた。じんの喜びそうなこととか、私がしてあげたかったこととかいろいろ考えてプランを練って会場だって探したけど。

顕「なんか全部バレてた。『どーせ幹事、Aなんでしょ？』って」

「・・・、」

顕「それより旅行するんだと」

「そっか、」

顕「俺は別に良いからって言われて」

「・・・うん」

顕「だから、色々させて申し訳ないけど」

「・・・っ、」

そんなこと急に言われてすごく落ち込んだ。
お返しくらい、させて欲しかった。
私だってじんのことを喜ばせたかった。
普通に一人の「友達」として。

「もう親友には戻れない」と言われた手前、彼の中で私が「友達」のカテゴリーにあるとは思えないけど・・・。

全然会うことがなくなって全く連絡がなくなって、音沙汰なしでじんが今どんな感じなのかも知らなくて。

なによりも、今年の彼の誕生日に私は「いらない」存在だったんだ。

そう思ったらすごく苦しくて、泣きそうだった。

宮「そんなに落ち込むなら説得してこようか？」

「それはやめて」

じんは私にお祝いされて欲しくないんだから・・・と口にしたら「それは違うと思うけどね」って紫耀が口を挟む。

「・・・私のこと嫌いになったのかな！？」

紫「だからそれはねえって」

「分かんないでしょ！？」

紫「あぁもう」

じんの誕生日祝えないのそんなに嫌なの？と紫耀が顔を顰めて私を見つめる。はっきりと「うん」と頷いたら彼は「そんなにじんのこと好きなわけ？」と単刀直入に聞いてきて室内の空気が一瞬にして変わった。

「・・・じんのお祝いくらいさせて欲しかったんだもん」

宮「Aちゃん」

「全然会えなくなったし、私もう前みたいに一緒にいることなくなって・・・割と寂しかった」

紫耀はこうやって友達としてでも会ってくれるし普通に仲良く出来ているのに、じんは「友達」としては会ってくれないし・・・私は「親友」に戻りたいけど、それを望むのが失礼だってこともちゃんと分かってる。

慎「じんぐーじも同じだと思うけどな」

「・・・、」

紫「んな顔するなら連絡すれば？」

サ「紫耀くんがそういうとは」

紫「俺の気持ち的にはこんなこと言いたくないけどねっ」

いい男なんで俺、と紫耀は得意げに微笑んだ。