StLtH22 (ページ44)

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Ryo Side

涼「ただいまー」

帰ってくるとすかさず姉ちゃんが「おかえりー」とキッチンから顔を出す。楽しかったーと言いながら中に入るとキッチンに姉ちゃん以外がいるのが分かって二度見するとそれは慧悟くんだった。

慧「あ、涼おかえり」

涼「えぇ！？」

エ「ん？どうかした？」

お澄まし顔の姉ちゃんはそういうと大して気にしてない様子でニンジンを切るのを続けたまま俺に顔を向けた。

涼「え、何より戻したの？」

ダイレクトに俺がそう問いかけると姉ちゃんは嬉しそうに頷いて、慧悟くんはそんな姉ちゃんを見つめて嬉しそうに目を細めた。

涼「なんだ～・・・」

もうちょっとエリちゃんを独り占めできると思ったのに。
案外早かったな。

慧「なにその反応？」

涼「いや？良かったなぁーって？」

俺の残念そうな顔に気づいた慧悟くんがそう問いかけてきたけど、本当にもうちょっと喧嘩してれば良かったのに。

エ「涼ちゃん今日はどこ行ってきたの？」

優しく笑って近寄ってくるエリちゃんに「瑞樹たちと遊んできたよ」と言えば「そっかー楽しかったんだね」と俺に答えては「ご飯もうすぐ出来るから待ってね」と俺の頭を撫でた。

我が姉ながら、めちゃくちゃ理想的な姉ちゃんだよな？と嬉しくなる。
俺はいつだってエリちゃんに甘えて生きてきたし、これからもそうする。

まあ、姉ちゃんは慧悟くんが一番で。
それは俺が来た時から変わってないし、俺が二人の中に入れてもらっただけなんだけど。

慧「あ、それ触んなよ、熱いから」
エ「そう？じゃあ、けいちゃんお願い」

慧「うん、エリはそこで見てていいよ」

ソファーに顎を引っ掛けて二人を見つめる。
俺は二人がおままごとで料理をしているのから、本当に料理をするまでを見てるんだなって改めて実感する。慧悟くんの存在は俺にとって頼もしい兄貴だし、姉ちゃんのことを大事に思ってくれる人でもあって、この先もエリちゃんのこと見てくれるといいなぁって思ったりする。

涼「・・・(笑)」

言わなくても、まあそうなるよね。

エ「はい、できたー」

涼ちゃん座ってーと言われて、二人の前に座るとエリちゃんは俺にご飯を手渡してくれて「ありがとう」というと嬉しそうに微笑んだ。

エ「食べよ？」

慧「エリ、足りないのある？」

エ「ないよ」

涼「いただきまーす」

大きな声をあげた俺に二人とも笑っては同じようにいただきます、と口にした。