StLtH22 (ページ43)

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慧「その先は」

エ「何もなかったよ」

慧「・・・、」

エ「ごめんね」

慧「でも、エリの気持ちが揺れたんだよね」

怒るわけでもなく、ただなんか諦めたように呟くから心配になってもう一回謝るけど彼は眉毛を下げたままで。

エ「うーん・・・」

慧「大丈夫だよ、分かってる」

エ「ごめん」

慧「いいって。元は俺が悪いし、」

それでエリカがもし好きになっても、文句言えないよと彼は目を伏せた。

エ「けいちゃん、エリ今感動してる」

慧「え？」

エ「大人になったねぇ」

嬉しくて彼の頭を撫でるとけいちゃんは恥ずかしそうに私の手を退かした。

エ「エリは、ずっとけいちゃんが好きだよ」

ジェッたんみたいに優しくて面白くて頼れる人に好きって言われて揺れたけど、それでも、私はやっぱりけいちゃんと一緒にいることを選ぶよ。けいちゃんのことを放っておくことすら私は無理だから。

慧「よかった」

エリの言葉にはにかんだけいちゃんは「あー・・・マジで辛かったー」と私を思いっきり抱きしめて笑った。やっぱり、この腕の中が一番だと思った。