StLtH22 (ページ40)

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ジェッたんと別れてから実家に戻るまでの道のりの中、考えた。
より戻すことに対しては、別にそうなったっていいと思った。
ミホさんが怒ってくれたのも知ってる。
けいちゃんが反省してること、何度も安井くんが言ってくれた。

よりを戻しても大丈夫なのは頭では分かっているけど、気持ちにまだ抵抗心があった。
待っていたはずのけいちゃんが、頭を下げて謝って復縁を求めてきたんだ。
素直に頷いて、また話し合えばいいだけなのに。

家に帰ると、誰も居ないのかシーンとしてて。
生まれた頃からここにいるから、ここにはいろんな思い出が詰まってて。

庭に出ると、相変わらずそこは植物に囲まれていて。
お母さんの趣味で緑がいっぱいの庭。

小さい頃、けいちゃんとここでいっぱい遊んだ。
虫をよく見つけてた。けいちゃんは動物が大好きで、昔飼ってたうちの犬が懐いてた。
涼ちゃんが来てからは私たちの間に涼ちゃんを入れて遊んだ。

仲良しな私たちを見て家族みんな楽しそうに笑ってた。
お誕生日会も毎年一緒にしてた。

私の人生のメモリーにおいて、けいちゃんとの思い出が多すぎる。
けいちゃんが居ての幼少期だったし、きっと今の今までそうだ。

二階の部屋に上がれば、ここで二人で話したのを思い出す。
いつの日かけいちゃんはここに来てくれなくなって、それは思春期ゆえのあれだったけど。
一回来たと思ったら、キスされたり。本当に強引だったりした。でも、好きだから許した。
窓から毎日けいちゃんをお部屋を眺めて、たまに深夜にけいちゃんが出てきて「なにしてんの」って顔を顰めて早く寝るように促されたり。

エ「・・・けいちゃん」

これからも一緒に居てよ。二人で失敗しても、一緒に居てよ。けいちゃんになにされてもよかったんだよ。一見優しくなくても、本当は私のこと大事にしてるの分かってるよ。

確かに今は困るかもしれないけど、けいちゃんがいいっていうのなら、本当は子供出来たって、私は今の生活を犠牲にしてもけいちゃんとの子供を選んだよ。

・・・だから、私との未来を選んでよ。

もう二度と、責任取れないなんて言わないでよ。
復縁を求めるのなら、今までのようにこの先も、ずっと私のことを見てよ。

涙が無意識に溢れ出す。
嗚咽が溢れて口を抑えて、涙を拭く。

エ「けいちゃんに会いたいなぁ」

そう小さく呟いたら、けいちゃんの部屋の窓が開いた。