StLtH22 (ページ36)

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Jesse Side

俺振られるだろうな、て確信したのはエリカが俺の言葉を遮った時だった。
好きな人に何年も片想いしてるのはお互いがそうで、多分同じように苦しんだ。

ジェ「結構楽しかったな」

エリカを彼女みたいに扱うこと夢みたいだったなと思った。
みんなかいる騒がしい空間に戻りたくなくて、一人で場所を見つけてなんとなくぼーっとしていたら急に俺を呼ぶ声が聞こえた。

北「ジェシー」

北斗だった。
そして、後ろにリリカ。

ジェスどーしたの？と眉を下げて近づいてくる。

ジェ「なんでもないよー」

リ「・・・、」

リリカは心配そうに俺を見つめては「なんかあったの？」と首を傾げる。北斗をちらっと見れば北斗も同じような顔をして俺を見た。

ジェ「・・・振られそう」

そう言った俺にリリカは悲しそうに瞳を揺らして「ジェス大丈夫？」と俺に近づいては、自分のことみたいに苦しそうに眉間に皺を寄せた。

北「エリカ？」

俺が頷けば北斗は「そう、」と視線を落とす。
ジェ「なんか言えば？(笑)」

困った顔の二人にそう言えばリリカはハッとして「ジェス...」と俺の方を摩った。

リ「リリも振られそうな気持ちわかるよ」

ジェ「(笑)」

リリ「泣いてもいいよ？リリが慰めてあげる」

ジェ「泣かねぇよ(笑)」

リリ「だってジェス強がってるように見えるんだもん」

リリはそういうと「強がんなきゃやっていけないかもだけど、」と小さく呟いた。

リ「振られそうな瞬間って本当最悪だよね。身を削って相手を好きでいるのになんでまだまだ苦しいんだろうって」

北「・・・、」

リ「相手に怒りたくなるし、相手の好きな人は優しくできないし、自分のことはもっと大嫌い」

ジェ「・・・」

リ「自分の全てが否定されたみたいで、本当に悔しくなる」

北「・・・。」

ジェ「でも、リリカはその先にいいことあったでしょ？」

俺がそう笑えばリリカは何度も頷いて「うん、先生に会えたから」って言うと「だから、ジェスもいいこと絶対ある！」と俺の顔を覗き込んだ。

リ「一緒に戻ろう？」

ジェ「そう、だな」

俺のその言葉に北斗が笑顔を見せて「行くぞ」と歩き出した。

戻ったその場所に、エリカは居なかった。

風「エリカ、弟連れて帰ったけど？」

樹「家の用事だって」

ジェ「そっか・・・」

そこには萩ちゃんの姿も見当たらず、少し引っ掛かったけどスマホを確認したらエリカからメッセージが来ていた。