StLtH22 (ページ4)

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神「・・・お前は俺をどうしたいの？」

「分かんないよじん。それは私のセリフだよ」

神「俺も分かんねーよ」

「うん」

神「分かんないから」

「うん」

彼はため息を吐くと脱水場を出て行った。
姫がきゃんきゃん鳴くのが聴こえて、ぽろっと涙が溢れた。

着替えてからベッドに向かうとじんは「髪乾かすよ」って私を座らせた。

「自分でやるよ」

神「俺の役割でしょ？これ」

「・・・、」

神「・・・」

黙り込む私たちを姫が不思議そうに見上げてくる。くぅーんって鳴くその姿にまた泣きそうになる。

胸が苦しい。

じんと一緒だと、苦しい。

髪を乾かし終えるとじんはすぐにベッドに入った。背中を向けたまま静かに寝音を立てた。

背中を見つめて少しだけ服を引っ張った。
気づいてたとしてもこっちを向かないのは確信してたから、素直に諦めて服を離した。

じんらしくない。
けど、じんはじんだ。

私がそうだったように彼だって考える時間が欲しいのかもしれない。どうしよう、私はここに居てもいいんだろうか。

明け方、目が覚めてもそのままだった。
じんの温もりを感じてても、こんな虚しいのは初めてだった。

寂しい気持ちと、スカスカな胸に風が吹く。

けどそれでも、待つことにする。

じんが、待ってくれたように。

それまで「あなたのためになりたい」って言ったら笑うかな。

明け方に目が覚めてからアラームがなるまでずっと起きたままだった。

彼が喜ぶことをしてあげたいと考えたけど私に出来ることなんて少なすぎる。

起きてすぐに美味しい朝食があったら嬉しいかな。

朝日が差す中、1人でじんの家の周りを歩くなんて久しぶりだ。

けど、なんだか心地が良かった。
久しぶりに気持ちが落ち着いているんだろう。
いつもより景色が綺麗に見えた。

ご飯は炊いたし、お味噌汁は作れる。
コンビニで彼が好きなものを選んで買った。

合鍵を使ってソローッと入ると、バタバタと音が聴こえて慌てて走ってきたじんが寝癖を付けたまま私の姿捉えると「焦ったー」とズルズルしゃがんで頭を掻いた。

「ごめん・・・朝ごはん、」

神「起きたらスマホあんのにお前はいねーし、靴はあんのに、どこに隠れてんのかと思ったけどマジでいねーし、」

「サンダル勝手に借りちゃった、」

神「うん、いいよ」

「あービックリしたー」ってじんが困った顔して頭を掻き乱すのを見つめて、涙が滲んだ。