StLtH22 (ページ19)

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その言葉を無視してテレビに視線を向けて黙ると、玄樹が「ひとりぼっちが嫌で『じんに会いたい～』ってサクラに泣きついたくせに」って口にするから「なんで知ってるの？」という顔して見返すと、じんが「そうなの？」って声を零した。

玄「フッ(笑)」

目を泳がせた私に玄樹は鼻で笑い、馬鹿にするようにニヤニヤと笑う。悪魔め。

神「・・・？」

「・・・、ハンバーグ作る」

席を立つ私をキャハキャハと笑う玄樹を背にしてキッチンに立つとじんが追いかけて、「いいよ作んなくて」と私の手を止めた。

神「A今日疲れたでしょ？」

「んー大丈夫だけど・・・」

神「玄樹のはいいよ。うーばいーつ頼もうよ」

「え？あ、うん」

冷蔵庫を開けた私の背中にそういうとじんは「こっち来て」と口にして、リビングに目を向けた。

玄「・・・もしもしサクラ？うん、そうそう、その前にチキン買ってきて？・・・うん！そうそう！」

嬉しそうに電話を切った玄樹は「はい、」って宮近くんにスマホを渡してまた視線をテレビに戻した。野球の中継がもうすぐ始まるらしい。

「え、ちょっとまって、サクラちゃん？」

神「あの、玄樹？」

玄「サクラ達も来るからー」

「え？」

神「あ、そうなの？」

宮「ちなみに慎ちゃんも来る、んだけど」

宮近くんは申し訳ない顔して私たちを見ると「玄樹に誘われた」というようにソファーに寝そべってる玄樹を指差した。

神「いや、いいんだけども」

「前もって言うっていうのはないの、玄樹？」

玄「うるさいなぁ」

「はぁ、」

神「はぁ、もういいよ(笑)」

諦めたように笑ったじんは「お菓子とかあったかなぁ」とキッチンに向かった。

とりあえず私はリビングとトイレをチェックして見られてはいけないものを回収しに行くと、洗面所の鏡の裏にゴムが置いてあって「もう、じんってば」と思いながらこっそり寝室に戻した。玄樹なら開けかねないというか。

涼しい顔していろんな場所に隠すから本当に策士。
付き合ってから気付いた一面だけどこういうのには抜かりがないのだから本当にビックリする。
まあ、いいんだけど。

本人は漁ってきたお菓子を二人と食べてて、そういうこと気になってもないんだろうなと思った。