StLtH22 (ページ11)

今日:12 hit、昨日:14 hit、合計:37,785 hit

952 ページ11

たしかにじんの優しいところが好きだけど、優しくなくてもいいよ。それでもじんはじんだから、大事だよ。

「優しいじんしか知らない気でいたんだけど、というか今までのどのじんも優しかったからそう思い込んでた。そんなじんが好きだったのも本当だけど、優しいだけのじんじゃないでしょ？だから昨日のことは謝らなくていい」

「A」

「どんなじんも大事だから」

「優しくないじんだって好き」

そういうとじんは「ありがとう」って私の頭を撫でた。

じんの腕を掴んで「私もありがとう」って口にする。じんは優しく目を細めて口角をあげた。

やっと、何かを取り戻せた気がした。

「あのね、お願いがあって」

そのあとは普通に過ごした。
スーパーでお弁当を買ってそれを夜ご飯にした。じんがやたらと食べるものを買い込むからどうしてかな？と思ったけどその時は理由が分からなかった。

適当に食べてお風呂に入って寝る準備をするじんに近寄るとベットが軋み姫が足元に寄ってきた。

神「姫ちゃんはこっちね～」

彼は姫を姫専用のベッドに乗せると、「Aちゃんはこっちおいで」って自分の隣をポンポンした。

「うん」

隣に潜りこんでじんを見つめるといつも以上に優しい顔をして、私の髪の毛に触れた。

その姿を見て今ならと思い、お願いがあると彼に伝えた。

神「ん？お願い？」

「うん、あの、、」

じんのTシャツのお腹の部分をぎゅっと握った。

「良かったら、今日は・・・」

神「A？」

じんの心配そうな声が上から落ちてくる。

神「どうした？ん？」

優しい声が耳に触れて、私は彼を見上げて「今日は抱きしめて寝たい、な」と伝えた。

神「あ、あぁ・・・(笑)」

「ごめん、ダメならいいの」

そんな気分じゃない日もあるでしょ？大丈夫。って少し距離を離そうとした私に「コラコラ(笑)」と笑って背中に腕を回してくれた。

「・・・、」

彼の首元に鼻が当たって、抱きしめられてる感覚を味わう。ああ、この温もりが欲しかった。昨日、これが無くて寂しかった。

神「寂しかったよな」

「・・・っ、」

何度も後頭部を撫でてもらってあまりの心地よさと安心感で涙が滲む。

神「Aごめんね」

「ううん」

神「ずっとハグして寝てたもんな」

「うん」

じんの首元でゆっくり呼吸をする。
気を抜いたら泣きそうだ。