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Erika Side

ミホさん、この前はありがとうございました。と頭を下げると「いいのよ」と口角を上げる。
最近また綺麗になったなぁ、とミホさんの短くなった髪を見つめた。

エ「ボブ、綺麗ですね」

ミ「でしょう？(笑)」

クスクス笑いながら、ワインを飲む彼女を見てきょもちゃんが少しだけ寂しそうな顔。
きょもちゃんは今日はミホさんにくっつくことなく、おつまみを置くと樹くんのそばに行ってしまった。

エ「きょもちゃんどーしたの？」

ミ「ふふ、気を遣ってくれてるのよ」

エリカが私と話せるようにね。って彼女は笑うと、「別れてからどう？」と首を傾げた。

エ「・・・後悔は、してません」

たぶん。

エ「でも、寂しいですね(笑)」

誤魔化すように笑えば、ミホコさんは全て分かったような顔で微笑んだ。

ずっとけいちゃんが好きで、

これからもけいちゃんを好きで、

ずっと一緒に居れると信じて疑ってなかった。

きっと、けいちゃんだって同じ。

だから、なんでも許せると思った。
私とずっと一緒にいてくれるなら。

ーミ「エリカも萩谷くんも、お互いしか知らないからお互いの大切さに気付けないのかもね」

ーミ「エリカの知らない世界だってまだまだあるわよ」

いままでも、これからも、けいちゃんだけで良いと思ってた私は・・・間違ってたのだろうか。

いや、きっと間違ってはないはずだけど、そう言われると知りたくなってしまう。

選択肢は自分にあるのだから、選ぶしかない。

別れるか別れないか考えた時、別れる方を選んだのは・・・きっと知りたかったからだ。

けいちゃんが、いない世界。

けいちゃんを気にしなくても良い日々。

けいちゃんを、思い出さない日々。

別にけいちゃんだけが悪かったわけではない。

ここ最近はお互いに不満が溜まっていくようでもどかしかった。

いっそ、別れて、考えればいいと思った。