StLtH20 (ページ30)

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そんなことを緩く考えてると、「おっ、サクラ！」と安井くんが裏から出てきて「あ、今日は一人なんだ？」と微笑む。

謙「彼氏とおマメちゃんは？」

サ「おマメちゃん・・・」

謙「宮近のことだよ！(笑)」

サ「おマメちゃん呼ばわりなんだ・・・」

可愛いけども。

安井くんは「あ、そうだ、サクラ！」と手を叩くと「海、行かない？」と首を傾げた。

謙「みんなで！」

サ「みんなで？」

謙「そう！」

うちのシェアハウス勢とタルーレが毎年バーベキューしてるの知ってるでしょ？
今年はみんな彼女出来たりして、常連も増えたわけだし、どうせならもっと賑やかなことしようって！
２泊３日の旅行プランになるんだけど、どう？ミホさんの同級生が、海の家と民宿経営してるんだけどね！

謙「顕嵐行くと思うし」

サ「楽しそうですねー」

これ見て！とプランを渡されて、大勢で出かけた記憶がない私にとっては十分にワクワクするものなんだけど。

サ「タルーレの子たちみんな行くんですか？」

謙「あー・・・えっとね、高校生たちは１日目だけ！日帰り！」

さすがに、ね。
高校生以下は初日の海水浴とバーベキューだけで帰りは樹が送ってくの。

サ「・・・そうなんですか」

謙「さっきもその話して盛り上がってたよ」

と、安井くんは高校生バイトくんたちを目で指して微笑んだ。

サ「行こうかなぁ」

謙「よし、よかった！」

みんな行くって言ってくれてよかったよ～、と安井くんは名簿に私の名前を書くと「お支払いは、今度来た時にお願いね」と微笑んだ。

サ「はい」

旅行、か。
長い間、大勢で何かするっていうのなかったし。
楽しそうだし、きっとちゃかちゃんもエリカもAちゃんも来るよね。

その日、帰ってからそのことを顕嵐に告げると「サクラが行くなら俺も」という想定内の返事をもらって、数日後またタルーレに戻った。