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873 2019/4/2 ページ29

Sakura Side

就活の息抜きと言ってしまえば聞こえがいいのだけども・・・本当はあの子に会いたいだけ。というか眺めたいだけ。
こんな感情を抱えてるのは顕嵐には内緒だけど、今日も面接終わりにタルーレにやってきた。

作「いらっしゃいませ」

落ち着いた大人しい声が聞こえて、「あ、こんにちは」と口角を上げる。
高校一年生っていうのに、こんなにスタイルが良くてさらに大人っぽい。
モデルみたいな体型に、育ちのいい言葉遣いや、丁寧な仕草。

腕時計や、半袖のシャツから伸びる腕の血管とか。
すごく魅力的なのに、休憩中に猪狩くんや那須くんと喋ってる姿は普通の男子で。

サ「可愛いなぁ・・・」

そう思って彼を見てしまうこと、
そんな可愛い彼の姿を癒しとして求めちゃうこと、

顕嵐には、内緒。

Aちゃんだって、エリカだって、那須くんや浮所くんといった推しがいるし私だってタルーレに推しがいてもいいんだけど。

ほら、私の彼氏はヤキモチ焼きだし？

自分の親友にも焼いちゃうような人だから、作間くんのことが好きだってバレたらきっともうここに一人では来れなくなってしまう。

可愛い男の子って、見てるだけで元気になるというか。
母性本能が擽られるっていうか。

ほら、ハルさんも言ってたもん。

ハ「わたし、来世は樹くんのお姉ちゃんになる」

とか

ハ「私、ちゃかちゃんのお世話してると母親になった気分」

とか

ハ「そーやんみたいな息子が欲しい」

とか。

そんなことを思うのは至って普通なんだよ、うん。
そーやんみたいな息子、はちょっとあれだけど。
確かに猪狩くんは、いい子だけども。

サ「作ちゃんが一番、可愛いよね・・・」

最近は名前も覚えてもらえて、「サクラちゃん」って呼んでもらえてるんだから本当ラッキー。

休憩中におやつを食べながら、勉強してるのを見てると癒される。

だから、タルーレ来ちゃうんだよなー・・・。