PAST IVー9 ページ10
モ「ビックリした、すごく役に入ってたんだもん」
「そう?」
モ「うん!セリフ忘れそうになったくらい見入っちゃった」
「ありがと」
とりあえず手応えを掴めたことが嬉しくてホッとしていると、先生に呼ばれてそこに向かう。
「演技は上手く出来てたけど、本当に高さがある場所で踊れる?」
そこだけが歪んでたよ、と言われて「・・・そうですか」と小さく口にすると「やっぱりあなたには難しいかな」と困った顔で言われて思わず「出来ます!直してきます!」と遮ってしまった。
「危ないわ、見てるこっちが不安になる」
「そんなに歪んでますか?どれぐらいですか?」
「んー・・・そうね、」
バランスを崩したら落ちるかなってくらい。
先生はそう言うと、「一応下にマットを敷きましょう」と口にして微笑んだ。
パフォーマンスについてはそこそこ褒められたけど、百点満点ではないと言われてるようでなんだか悔しかった。
「はぁ・・・」
紫「大丈夫」
「うん」
紫耀は微笑んで「Aなら絶対出来るから!」と私を抱きしめて子供に言い聞かせるように顔を覗き込んできて「な?」と微笑む。
紫「踊ってるAは世界一綺麗だって!俺が保証する!」
「・・・(笑)」
紫「俺踊ってるAが一番好き!」
「はいはい(笑)」
信じてないでしょーと疑われて、私を褒め称える言葉を次々零す彼に、愛ばかりを感じて。
目を細めて彼を見つめ「ありがとう、紫耀。大好き」とそういえば照れ臭そうに笑みを零して「おうっ」て顔を逸らした。
紫耀が私を大切にしていることをいつも以上に感じた、そんな本番前一週間。
神「日曜、楽しみにしてるね」
「うん、ありがとう」
学校で会えばこれ食べて元気付けとけよ〜と言われてそれを受け取ると某有名ドーナツチェーン店のドーナツで「美味しそう」と笑えば「A好きじゃん」と私を見つめてそう呟いた。
「うん」
神「でしょ?」
「ふふ(笑)」
神「またAのバレエ見るの楽しみだな」
「やだな、、、恥ずかしい(笑)」
神「なんで?」
「改めて言われると、なんか照れくさいっていうか」
神「そう?(笑)」
でも、ありがとう。って微笑むとじんは嬉しそうに笑って私に「じゃーね」って手を振った。
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作者名:愛美 | 作成日時:2019年3月10日 20時